つかまり立ちから後ろに倒れる2017/10/26

つかまり立ちの子どもが、後ろに転倒してしまうことについてメールをいただきました。
メールへの返信をこちらに書きますね。

子どもが立ちあがった状態から後ろに転倒して後頭部を打つことは危険です。

後ろへの転倒は、腰と体幹が不安定なことが原因と考えられます。
腰がふらふらなのに、腕の力や、足の突っ張りで、つかまり立ちをすると、
その後も歩行が安定せず、顔から転び、長く歩けないことになりがちですね。

つかまり立ちで後ろに転ばないためには、
あおむけの遊び、ハイハイ、床からの立ち上がりで
安定した腰と体幹をもつことが必要です。
でも、早くお座りを、早く立っちを、早く歩いてと
発達の先取りをされて、
手をつかずに転びやすく、長く歩けない子どもがいて、
保育者を悩ませています。

入園した段階で、つかまり立ちで後ろに転ぶ子どももいるでしょう。
もしも私だったら・・・

①まずは、つかまり立ちする箇所には、
ぶ厚いマットなどを敷きます。

②保育室の床は、斜面と段差、でこぼこ、フワフワをふやし
手をついて四つ足での移動が増えるようにします。

③段ボールや、牛乳パックの手作り積木、布団やクッションなどを使って、
またぐ、入りこむ、乗り越えるなど、
四つ足での複雑な身体運動が繰り返しできるようにします。

④回遊性や、直線の空間、その先に新規性の高い物を置くなど、
子どもが思わずはいたくなるような空間づくりをします。
廊下や他の保育室も使い、できるだけ長くハイハイ移動ができるようにします。

⑤保育者はハイハイで逃げたり、追いかけたり、
いないいないばあをしたりして、はうことを促します。

⑥園庭や散歩先にゆるやかな坂があれば
そこでハイハイができるようにします。
広い園庭でハイハイすることも促します。
人手があれば、階段でのハイハイも促します。

⑦また牛乳パックの積木や布袋など、大きいもの、重いものを置いて、
運んだり、押したり、ひっくり返すことを促します。

⑧抱っこ~と来ることも多いでしょうから、
そのときにはひざのせ遊びや飛行機など
じゃれつき遊びをします。
体のマッサージもしたいですね。

そうして、安定した腰と体幹を育てます。

保護者には、つかまり立ちで転倒していること。
後頭部を打つと危険なことをお伝えし、
おうちでもハイハイやじゃれつき遊びをしていただけるように
慎重にていねいにお話すると思います。

入園時には、パラシュート反射を確認し、
「転んで身を守る能力」を身につけていない子どもさんの場合には、
しばらくは顔から転んでけがをする可能性があることを、
対応と共にお伝えするでしょう。

園で0歳時期の経験を取り戻すのは、とても大変です。
保護者が、子育てひろばなどを赤ちゃんのときに利用して、
適切な子育て情報を見聞きできることが大事ですね。

赤ちゃんの育ちを支える子育て支援モデルは、こちらがお薦め。
「ここでみんなで育ち合い ここみ広場」
http://kokomi.hamazo.tv/
支援者研修も行われています。

2,000円で保育が変わる!?2017/09/20

ある園長先生より、「2,000円でも保育は変わる」という話を伺いました。
他の園の先生から、「環境を変えたいが予算がない」と聞いたときに、
「2,000円でいいから100円ショップで買ってきてごらん」と、アドバイスをされているそうです。

2,000円で?!、いったいどのぐらい買えるのだろうと
先日、待ち合わせの時間まで25分ほどあったので、
100円ショップを探して、購入してみました。
「もっとも手を使う必要がある1歳児クラス向け購入!」と入り口で決めました。
20分であわてて購入したものはこれ。消費税が入って2,160円



お皿と器は大きなものを選択。
中華のトングと、サラダボウルは良いものがなかったので断念。

タッパは穴を開けて、園にあるブロックや、手作りのお手玉を出し入れする用。
抱えられるもっと大きいものが良いと思いましたが、後から考えるとそれならミルク缶があるから、
底が安定した四角を買えばよかったと後悔。

四角いケースは、手作りの大きなお手玉か、園にある積木などを並べて入れるためのもの。

最近すっかりなくなってしまった、腕や足に通す輪のおもちゃの代わりに、シュシュやバンダナや腕枕など。
調子にのってこればかり買いすぎました。
でも、1歳は口に入れる子どもがいるので、やはり安全な塗料の玩具の方が良いのだけれど。

「ひっぱる、はがす、出す、入れる、押す、振り回す・・・」とブツブツ言って子どもの手の動きをまねしながら、あわてて買い物をしている姿は、かなり怪しかったと思います。

他に、みかん箱サイズの段ボール箱で、中へ入る、出る動きを確保。
いちご箱サイズの段ボール箱には、ひもをつけて引き箱をつくりましょう。
牛乳パックを4つ並べて重い積木をつくれば、全身を使う粗大な動きが確保できます。
車が大好きな子どもは、積木を車がわりに押すでしょう。

後は、大小の布類があれば、包んだり、スカートにしたり、わらべうたもできるし、
人形や人形のお布団は、保護者や地域の人で上手な人につくってもらうこともできます。

食事用のテーブルを、離して並べて、そのテーブルの上にこれらを並べたり、
じゅうたんやマットで空間を分けて、絵本や既存のおもちゃと共に、空間をつくれば、
保育者には、雨の日も、子どもが遊ぶ姿を見るゆとりが、きっと出るでしょう。

う~ん、予算2,000円恐るべしです。


関わるための話し方とは2017/08/28

保育者の関わりに関連するさまざまな文献を読んでいて、
ますます大きくなっていく疑問があります。
それは、保育者の声の出し方、話し方

幼児の歌唱指導で、「大きな声で」「元気よく」と
歌わせる指導方法に、賛否両論があるように、
保育者の話し方と声の出し方も、園によって異なります。

ある園では、新任の保育者は、
「大きな声で、子どもたちを引きつけられるように」と、
オーバーな話し方をするように指導を受けます。
先生は、騒音の中で聞き取れる、甲高い裏声を使って話します。
絵本も、声色を使い演劇のように感情をこめて読みます。

反対にある園では、新任の保育者は、
「声は静かに出すように」と指導されます。
絵本は、「子どもたちが想像できるように」
声色は使わずに読みます。

関わりは保育者に任され、
一つの園のなかで、大きな声の先生と静かに話す先生が
混じっている場合もあります。

関わりの研究で観察したある園では、
保育者は、幼児の集団にも静かな話し方をしていました。
インタビューをすると、保育者は、
「子どもが自分で話に注意を向けて聞き取ることができるように
わざと普通の声で話しています」と、その意図を説明されました。

「キャピキャピした保育者」を求める園
(これは関わりに関する本に書かれていた言葉です)と、
「静かで知的な保育者」を求める園とがあり、
そこには子ども観、保育観の違いが現れていると考えられます。

私も中学生の頃、ピンポンパンのさかいお姉さんが大好きでしたが
幼児番組やアニメの話し方や歌い方は、
声が高い、テンションが高い、抑揚が大きいなどの特徴があります。
探索欲求の強い乳幼児を、平面の画面に引きつけるには、
このような話し方が、有効であると考えられます。
しかし、対面のコミュニケーションには向くのでしょうか。

保育者が追及するのは、
赤ちゃんと、情緒的に交わることができる話し方であり、
幼児クラスで、保育者と子どもの豊かな会話が成り立つ話し方です。

目の前の赤ちゃんと信頼関係をつくる話し方は?
目の前の子どもの心と体に届く話し方は?
幼児の集団に対する話し方は?
それらに共通する原則は?

原則づくりの旅はまだまだ続きます。

小学館ライブのお知らせ2017/08/15

小学館カルチャーライブのお知らせです。

まちの保育園代表の松本理寿輝さんから、
地域とともに子どもを育て、地域が変わっていく実践と、
そこに込められた思いを伺いたいと思います。
私からは、学びを支える保育環境に焦点化したお話をする予定です。

家庭や地域との協働に取り組んでいる先生方や、
協同的な学びに取り組んでいる先生方にもおすすめです。


日時:2017年9月14日(木)19時~
場所:小学館 本社(千代田区一ツ橋2-3-1
参加費:3000円
申込み先: https://sho-cul.com/
または小学館カルチャーライブで検索をしてみてください。 

学びの二つの方向性2017/06/17

保育学会の発表で、印象的な質問を受けました。
ここ数年、0~6歳の保育内容を体系化する研究を発表しています。
今年は、「人間関係」の発達と、発達に合う教材や活動の体系化です。

「高山先生は環境の研究者だと思っていたので、
教材や活動とは、一番遠いと思っていたのですが」

(え~~!そうなの~!)と心のなかで叫んでいた私ですが、
「環境×文化→豊かな遊び」
自分だけの常識だと気づいた瞬間でした。

自然・物的環境を準備するだけでは、豊かな遊びは生まれません。
森のなかでも、テレビの再現遊びを繰り返す子どももいます。
保育者が、どんな文化を提供しているか、それによって遊びの質は変わります。
子どもは、自発的な活動の中でも学び、大人の指導からも学びます。
遊び中心の保育や、環境を通した保育は、自由放任の保育とは異なるものです。

保育者のもつ専門性は、まだまだ言語化・理論化されていません。
私の専門性言語化計画。

本当は、環境構成も、子どもの把握も、関わり方も、
発達に合った遊びと生活も、保育のマネジメントも
養成で教えられれば良いのですが、
言語化されていないために、科目すら設置されていない状況です。

専門性のなかでも、環境構成が、他者に見え、
子どもの行動に影響が強いため、
最初に、環境構成の理論化に取り組みました。
ほぼ、まとまりつつあるのが、2冊目の保育者の直接的な関わりです。

そして、保育者のときから研究を続けているのが
3冊目の子どもの発達と遊び。
名のない遊びも含めて
この時期には、こんな遊びが子どもたちから生まれる、
またこのような遊びを通してこのような学びを得る、
それらを保育者が知っていないと、
小学校の先取り教育か、
教育の意図のないお楽しみ会のような保育、になりがちです。
保育者が想定する遊びの幅が広いほど、子どもの活動は広がります。





保育者は、どんなに子どもへの愛情や思い(エンジン)を持っていても、
発達の理解や生活や遊びの具体的な知識(車輪)がないと、前へ進めません。

うた、踊り、リズム活動、体操、絵本など芸術的な文化の質や
伝承されるおにごっこ、わらべうた、手合わせ遊びなど遊びの質によって、
子どもの日々使う言葉が変わり、体が変わり、遊びが変わります。

何億年もの進化の過程を、遊びのなかで繰り返す子どもたちに
どの時期に、どんな環境をつくり、どんな文化を提供するのか。
それは、とても難しいけれども、創造的な仕事です。

実践の現場から、保育者の意図と技術を明らかにしたいと思います。

小学館から新刊が出ます2017/05/12

最近更新ができていませんが、いつも読んでくださる皆様、
本当にありがとうございます。
コメントへの対応が追いつかず、
現在、コメント欄を一時的に閉めています。
申し訳ありません。

さて、小学館で「新幼児と保育」「012歳児の保育」の
4年間の保育環境シリーズが本になります。5月17日発売予定。
タイトルは、「学びを支える保育環境づくり」です。

できたて、ほやほやの本。

書店に並ぶ保育雑誌のなかで、初めて、
壁面製作とは異なる子どもが主体的に関わるための環境の構成」を
連載として取り上げたのが、小学館の「新幼児と保育」でした。
これは、保育雑誌に大きな影響を受けている保育界にとって
画期的な出来事だったと思います。


「新幼児と保育6・7月号」、小学館、2017年5月

6・7月号は、「まちをつくる子どもたち:あんず幼稚園の実践」(DVD:28分)が注目です。
「保育制度・政策情報/解説:指針と要領改訂のポイント」はわかりやすい。
本屋では、すぐに売り切れるので、なかなかお目にかかれません。

これまでも、「エデュカーレ」(汐見俊幸編集)、
「げんき」(エイデル研究所)などには、
専門性が確保された保育内容が掲載されていましたが、
それらの雑誌は、店頭で手に取ることができませんでした。

今、私は多くの園を見学させていただいていますが、
工夫された環境と、優しい笑顔の先生方を見るたびに、
(保育の現場にいたときに、他の園をもっと見たかった)と思います。
現場にいたときには、環境を構成したくても、構成の仕方がわからなかったんです。

「学びを支える保育環境づくり」はオールカラーです。
家でゆっくりとお茶を飲みながら、
旅行雑誌をながめるような気分で園の写真をながめる、
あるいはクラスの保育者たちで
本を囲んでワイワイとながめていただければと思います。

勉強好きの皆さんを頭に思い浮かべながら、
コラムには最新の学習理論や幼児教育に関するトピックを入れました。
園に子どもを預けている保護者の方は、読んだ後に、
「間違えて、先生向けの本を買っちゃいました」と、
園の先生へのプレゼントに使ってください(笑)。

環境を変えれば、保育が変わります。
質の高い保育を受けられる子どもたちが、どうか増えますように。。。


と書いたところで、保護者向けの雑誌、「プレジデントBaby」が送られてきました。
「プレジデントBaby」、プレジデントムック社、2017年4月発行

保育園の紙上見学会は、いつもながら詳細です。
「科学的に正しいしつけ・声かけ」は、「学力の経済学」の中室牧子先生。
どの記事も、保育雑誌よりも、内容が専門的で、文字量が圧倒的に多い。
・・・う~ん、保育雑誌、がんばれ~!!

新年度2017/04/04

新年度が始まりました。

黒目川の桜並木
黒目川の桜並木は、まだ5分咲き程度。今週末には、見頃を迎えそうです。
入学式の頃に、満開は珍しい。


朝霞市黒目川
菜の花も満開です。

新指針・要領の言葉の定義に悩む春です。


人形の表情2017/01/05

あけましておめでとうございます。


あるクラスで、「動物の人形で戦いをするんです」と、聞きました。
その動物を見ると、「ガオーッ」、「ギャオーッ」と、闘う顔をしていました。

子どもが、人形にうれしい、さびしい、悲しい
といった感情を「投影」するには、
人形は中立的な表情がよいと言われます。

大隅さんありがとうございます
たとえば、こんな感じ。


しかし、先の事例で気づいたのは、
ネガティブな感情を吐き出せない子どもには、
怒ったり泣いたりしている顔の人形やペープサートがあると、
セリフとして怒ったり泣いたり、感情の「吐き出し」ができるかもしれないということでした。

子どもは、遊びを通して受け入れられない現実を消化します。
人形に怒鳴ったりつねったり無理やり食べさせたりしている子ども、いますよね。
保育では、1歳児クラス以上には「抱き人形」を置きますが、
可愛くニコニコ笑っている人形よりも、様々な感情を映しやすい人形を選びます。


また木製やプラスチック製で、積木と組み合わせて使ったり
机上でお話をつくって遊ぶ「小さな人形」も、各園で使われています。

子どもたちの会話を引き出し、
ファンタジーの世界を広げるときには、
扱いやすい大きさと形であることも大切です。

人形によって、イメージがふくらむ人形と、そうでない人形があります。
お話がふくらむ人形の代表、
オストハイマー社の人形が、保育実習室に年末届きました。
(今年度は、シュタイナー思想に基づく玩具を収集しています)。

授業で学生に紹介した後、教室に残って撮影。

「あれ、なすちゃん、どこ行くの?」の図。
右端の子は、学生たちからすっかり、「なすちゃん」と呼ばれていました。
花の妖精のはずなのですが・・・。


思わず、ストーリーをつくってしまいます。


学生が並べた人形たち。心の純粋さが構図に現れますね。

今年もよろしくお願いいたします。

子ども連れの移動の工夫2016/12/29

日本中が移動の季節。

子連れの帰省は、本当に大変だと思います。

飛行機で泣いている赤ちゃんに何とかしたくても

立ち上がることもできませんね。

飛行機でメモを書きためました。

 

子どもってどうしてこんなに移動中にぐずるの?と

大人は思うかもしれません。

(どうしてぐずるの?!)と思う前に、

こんな風に考えてみてはどうでしょう。

 

赤ちゃんが30分、車に乗せられているのは、

大人が、3時間座っているのと同じ。

1、2歳の子どもが飛行機で1時間座っているのは、

大人が、4時間座ったままなのと同じ。

そう思うと、ぐずる子どもに腹も立たないし、

ドライブでは、30分ごとに休憩をとろうという気になると思います。

 

「ひだまり通信」チャイルド社の元のお便りより。

脳を発達させる時期の乳幼児の脳は、

大人よりも運動と酸素を必要としています。

じっとさせていれば、脳に刺激も酸素も届きません。

乳幼児は起きている間中、手を使い、体を動かし

イキイキと心を動かしたいと思っています。

動くことは、乳幼児にとって生理的な欲求。

動けない状況は、食べられない、寝られないのと

同じぐらいつらいのです。 

そこで移動のときに大人にできることを

考えてみました。

 

【移動の前に大人にできること】

昼寝の時間が移動時間になるように移動する時間を工夫する。
・じっとする時間の前は、ぎりぎりまで子どもが動けるようにする。
間違っても待合室に座らせて絵本の読み聞かせなんかしてはいけない。
・乗る前に近くに公園や遊び場があれば、そこを活用。
・自由に歩き回ったり、階段を登るだけでも活動欲求は充足。
・迷惑にならない場所で、大騒ぎや大笑い、大声を出すのでもよい。
・寒い場所や暑い場所で遊ぶと、乗り物ではぐっすり。
・電車で我慢→待合室で我慢→新幹線で我慢ではぐずりたくもなる。
どこかで子どもの脳への酸素供給と発達保障を想定。
・じっとするとき用の「お出かけセット」をつくっておく。
(ふだんは出さない小さいおもちゃ、
音がしない座って遊べるおもちゃ、
シール貼りやクイズ系の薄手のワークブック、
開きやすい小さな図鑑類、折り紙など)をつくっておく。
・持参する絵本は、読み聞かせ系の物語絵本よりも、
その子の大好きな物の図鑑的な閲覧するタイプの軽い本を選ぶとよい。
(お出かけ用絵本は普段は出さないこと)
・赤ちゃんの場合、投げても大丈夫なように
音のしないガラガラを服にクリップ等でつけて
乗り物のなかで手を使えるようにする。
・想像力がある幼児(2歳以降)は、
手でもって動かせる小さな人形を両手に持てば、
お話をつくって30分は遊べる。

【移動中にできること】

・水分はこまめに補給。

子どもは暑がり。起きている時間は着せすぎではないか確認。

乗り物のなかでボッーとすることは脳を発達させる乳幼児には無理。

10分以上乗るときには何かを手に持たせる。

・子どもには、見通しや状況を話すこと。
赤ちゃんや幼児にも「今から新幹線に乗るよ」「今からお耳が痛くなるからね」と
今からどうするのか、今何が起きているのか、説明をすること。
「大人の留学生」を案内しているなら必ず説明するはず。
大人の留学生に説明が必要なことは、初めて社会を体験するわが子にも必要。
小さな子どもでも言葉がまだわからなくても、話した方がよい。

大人が大きな声を出してあやしたり子どもを興奮させないように配慮する。

公共の乗り物では「ここでは小さな声でお話しようね」と、くり返し教える。

幼児の場合には、新幹線や飛行機では、内部にさまざまな物を見つけたり

外の景色をいっしょにながめたり「あれは何だろうね」と問いかけて

子どもの好奇心を満足させることができる。

・新幹線であればレジャーシートを敷いて、
床で遊ぶ方が幼児は体が自由で集中して遊べる場合もある。

・どんなに配慮しても子どもが泣いたり騒ぐことはあるので、

周囲の人に「すみません。子どもが小さくてご迷惑をおかけします」と

一言声をかけたり、ぐずったときに、声をかけることもできる。

自家用車の場合は、子ども、ママ、パパなどそれぞれが好きな歌を流して

みんなで歌うなど、体はじっとさせても、声を出して活動欲求を発散。


普段から大切にしておくといいこと】

・日頃から気持ちのいい体を育てる。

食事・睡眠・遊びを十分にとれるように配慮し情緒が安定するようにする。

・子どもが小さいうちは、大人も子どもも疲れすぎないようにする。

日頃からよく遊ぶ子どもに育てる。

赤ちゃんのときからテレビに子守をしてもらうと、

テレビがないと遊べない子どもになりがち。

自分で遊びをつくり出せる子どもに育てておくとよい。

と、いろいろと保育の知恵を使って書いてみました。

それにしても、じっくり考えてみると

羽田空港のキッズコーナーは、本当に貴重な場所です。

あの窓側に、赤ちゃんを降ろせる場所もあるといいですね。

今、福岡空港が改装中ですが、最新のキッズコーナーがとても楽しみです。

今から東京駅ですが東京駅ではどこで赤ちゃんを降ろせるのか、

探してみようと思います。

緊急のブログ更新でした。

今年もブログをお読みいただきありがとうございました。

皆様良いお年をお迎えください。

脳に関するあれこれ2016/12/28

先日伺った園で、園長先生より「面白いですよ」と教えていただいた新書を、図書館に借りに行きました。
鈴木大介「脳が壊れた」新潮新書、2016

ついでに脳に関する本を借りてきました。
池谷裕二「進化しすぎた脳ー中高生と語る大脳生理学の最前線」講談社ブルーバックス、2007
宮本省三「脳のなかの身体ー認知運動療法の挑戦」講談社現代新書、2008


おもしろかった。

「脳が壊れた」は、ルポライターの著者による脳梗塞の闘病体験。
リハビリで脳と身体のつながりが回復していく姿は
脳が発達していく乳幼児の姿と重なる部分もあり、
赤ちゃんや幼児の世界を内側から見ているような気持ちになります。
目の前の物に手を出したいけれども出せないときの体の動きや気持ちの描写は、
2、3か月の赤ちゃんと同じなのではないだろうか。
物事に優先順位がつけられず、周囲にあるものに振り回される姿は
「1歳半の壁」を乗り越える以前の子どもたちを内側から追いかけているよう。
外に出ると、矢印マークを追いかけたくなり、
クワガタの死体をポケットに入れる筆者の姿に、
あの子はこんな見え方、感じ方かも、と感じる場面も多々ありました。
ずっしりとくるのは妻との生活。
家族に苦しんでいる人にも、この本はお薦めかも。
保育者には、「愛しすぎる女たち」を薦めることがありますが、
愛しすぎる男たちに、「脳が壊れた」を薦めたい。

さて「脳のなかの身体」は、認知運動療法をわかりやすく紹介した新書。
手足が麻痺したとき、従来のリハビリでは、
手足の骨や関節や筋肉など、物理的な身体に働きかけていましたが、
認知運動療法は、脳機能の改変による運動機能回復を目指すのだそうです!
一方向からのリハビリから双方向のリハビリへの転換です。
「感覚と運動は分離できない」-「知覚するために動く」。
「自己の身体を知り、身体を介して外部世界を知る」と
身体に関する本質的な言葉が次々と目に飛び込んできます。

「進化しすぎた脳」は、対話形式で幅広く脳に関する基礎知識を扱います。
「動物相手に実験しているとわかるんだけど、
下等な動物ほど記憶が正確でね、つまり融通が効かない。
しかも一回覚えた記憶はなかなか消えない」。
人間の脳では記憶はほかの動物に例を見ないほど
あいまいでいい加減
なんだけれど、
それこそが人間の臨機応変な適応力の源にもなっているわけだ」。
「(脳は)汎化をするために、脳はゆっくりと、そしてあいまいに情報を蓄えていく」。
のように、話し言葉での説明なのでわかりやすい。

012歳児クラスはなぜ子どもの手の届くところに玩具を置き
いつも手が使える状態にしているのか、
保育ではなぜ運動や動き、食事や睡眠を重視するのか、
適切な保育を理解するには、脳や身体の生理学的な理解が必要だと常々思います。
心理学による「子ども理解」だけでは、実践の根拠として足りない。
保育では、心理×生理×生態の総合的な「子ども理解」が必要ですが、
学問領域を超えた科目は、教える教員がいないから設置自体が難しい。
保育は、前提とする学問領域が幅広すぎです。