ケアの専門性2011/06/02

今日も素敵な先生方との出会いがありました。声をかけていただいた皆様、ありがとうございます。

このところ、ずっと「ケア」について考え続けています。

保育園は、さまざまな家庭のお子さんが利用します。

仕事と家事の両立は大変です。忙しさで、ゆっくり子どもの髪をとかしたり、子どもの顔を拭くゆとりさえない保護者もいるでしょう。仕事でくたびれきって玄関先で涙が出る日もあるかもしれません。家族や仕事の問題で悩み、子どもを優しく受け止めることができない経験は多かれ少なかれ誰にもあるのでは。立派な家庭なんてないし、家族って、人生って、いろいろあるのが普通です。
保育士は福祉の専門職ですから、どんな保護者であっても同じように丁寧に対応し、どの子どもにも同じように接します。子どもに服を身ぎれいに着せ、髪をやさしくとかし、手をかけ、かわいがります。 家庭の状況がどうであれ、保育園で先生にかわいがってもらえる子どもは幸せですね。

子どもの髪をとかすことや、子どもの服の裾を直すこと、その行為はごく普通の行為なのだけれど、多数の子どもに同時に、そして、どの子どもにも心をこめて行為することは、誰にでもできるわけではありません。
わたしも、お昼寝のときに、つらい状況にある子どもの背中を、「絶対に幸せになるんだよ」、「負けちゃだめだよ」と、心をこめながらさすることがありました。他人の人生にはわたしは何もできない。でも、その子どもの幸せを祈ること、今日、その子どもを大切にケアすることはできます。なんてありがたい仕事でしょう。

以前看護学教育学会に参加したときに、看護師にとって「ふれること」は「技」だ、というような発言がありました。普通の人のふれ方と、プロの看護師のふれ方は違う。なるほど。「ケアする心」と「ケアする技」の一致が専門性か、保育士も同じだなあと思いながらお話を伺っていました。

疲れた自分の顔に悲しい思いをしたり、仕事を続けることを悩む日があるかもしれないけれど、保育者は、毎日、その労働で、子どもたちの笑顔と保護者の生活を支えています。ケアの仕事は、ほんとうに崇高な仕事だと思います。





ホームレスが売る雑誌「ビッグイシュー」2011/06/17

東京や名古屋に出かけたときに、
雑踏の中で、本を高く掲げて売っている人を見かけます。
それが「THE BIG ISSUE 日本版」。必ず買うようにしています。
http://www.bigissue.jp/

この雑誌、300円の内160円がホームレスの収入になるだけでなく、
内容も実に濃いのです。

同じような社会派の雑誌「DAYS JAPAN」を読んだ学生が、
「目をそむけたい写真と、知りたくない内容だった。
でも、私はこの現実から目をそむけてはいけないと思って読んだ」と話していました。
実に、誠実です。

私たちはみんなつながっています。
貧困は、保育者にとって最も身近な社会問題。
知らん顔で通りすぎることは、ちょっと無理です。

                  浜松駅バスターミナル。浜松のバスには天井に番号がついていません。


ごっこ遊びのにわかコーナー2011/06/20

保育室内に、ごっこ遊びの空間をつくりたい。でも予算がない。そんなあなたに。


〇空き箱、お弁当箱、タッパウエア、お茶の缶や海苔の缶は誰のお家にも余っているかもしれません。
〇小さな紙袋、布バッグも人気です。
〇お鍋や調理用具を買うときには、手を切らないか、よ~くあちこちさわってからね。
〇具材にするチェーンリングは色を揃えて口に入らない大きさにつなぎます。
〇ダンボールの形に包丁を切って、アルミホイルを巻けば包丁のできあがり。


            お菓子の箱に、黒のビニールテープでコンロを描けばガスコンロのできあがり。



〇たらいや洗面器、1・2歳児クラスでは、なぜか人気です。
〇どのクラスでもお人形と、おんぶひも、エプロンがあると世話遊びが広がります。
〇布は、大小あると、お布団にしたり、お弁当を包んだりいろいろできます。お家にハンカチや風呂敷、余っていませんか。
〇ロングスカートや、ネクタイなど、先生の古いスカートなど着替えも楽しいですね。
〇お父さんの白いワイシャツの首の部分を切れば、お医者さんの服のできあがり。



〇牛乳パックの積み木は、橋になったり、車になったり、お風呂になったり、変幻自在。
〇カラフルなウレタン大型積み木も、テーブルやイス代わりに使ってみては。
〇ダンボールやホースで、小さな丸い輪ををつくると、ハンドルに見立てられます。


                具材には、チェーンリングの他に、大小のお手玉などがあります。
                フェルトを二枚あわせたおせんべ型など転がりにくいものが扱いやすいようです。



ぐりとぐらは47歳2011/06/23

浜松こどものとも社の安田社長から「ぐりとぐらは47歳」という話を伺いました。北欧には代々使えるおもちゃをつくり続けるおもちゃメーカーがありますが、日本には、長く読み継がれる絵本を出し続ける出版社があります。

絵本を販売するこどものとも社さんには、福岡でも、浜松でもお世話になっています。
「高山さんは日本で一番おもちゃにうるさいよ」と言われることがありますが、いーえ、私は「日本で一番、子どもの文化にうるさい」のです。子どもの人格形成は、親や先生と同じ、あるいはそれ以上に子どもが見聞きする文化に影響を受けます。保育者は、絵本やおもちゃや番組や歌などにうるさくて当然。子どもが喜べば何でもいい、なんてプロではありません。

保育室で大声と甲高い裏声と大きな音に囲まれ、テンションが高く、楽しく、興奮させる子どもだましの文化ばかり乳幼児期に与えられた子どもが、小学校になったからといって、いきなり先生の話をよく聞き、よく考える子どもになるなんてことは、まあ、考えづらいでしょう。

暮らしの質が人格を育みます。会話のある暮らしをし、どの子どもにも豊かな言葉の獲得を助けること。そのためには、園で提供する文化を選択する必要があります。保育者は、子どもの文化を選択するプロでありたいものです。

季節と子どもの興味や活動に沿った絵本を選択(川和保育園)


夏バージョンの百町森2011/06/29

先日、会議で静岡市へ行き、
帰りに久しぶりに百町森へ寄らせていただきました。

会議終了後、道を教えていただき
静岡県総合社会福祉会館から
バス通りに出て、学生服のお店の横を斜めにつっきると「あら近い!」
ほんの数分でつきました。
今回は、まりつき他伝承遊びのDVD他を購入。

子どもの本とおもちゃ 百町森
http://www.hyakuchomori.co.jp/index.html

今なら、夏モードの店長・スタッフの皆さんにお会いできます。
夏の涼しい飾りも素敵。

主題演習で親子遊びデビュー2011/06/29

主題演習の学生が、ここみ広場さんで、親子遊びをさせていただきました。

                          みんなでバスに乗って出発。

午前の部が終わってジュースで乾杯!いい笑顔だね~~

                                   午後はテレビの取材がありました。

                  インタビューにドキドキ。みんなお疲れ様!!

 保護者の皆様には、大人がしてあげるタイプの遊びはおやつ、子どもが作り出す遊びがご飯です。とミニ説明をさせていただきました。子どもさんが視線が合いにくい、ひざに乗るのを嫌がるなどの場合には、親子遊びは効果的です。

 ご参加いただいた皆様、御協力いただきありがとうございました。