保育の研究テーマ2012/11/25

つい、窓の外ばかり眺めてしまう季節です。

                        


今週は、保育の先生方の真摯で誠実な姿勢にふれる機会が多く、背筋がのびました。皆様ありがとうございました。先生方のお話を伺うことで整理できた内容をブログで紹介します。
今回は、「保育者の研究」のちょっとしたヒントです。

まずは、保育者が研究を行う場合に取り組みやすい研究、取り組みにくい研究を比較してみました。

現状や課題を明らかにするものは研究しやすい
 例)×歳児クラスの玩具の内容と量について
理想や回答を見つけるものは研究しにくい
 例)どんな絵本がいい絵本か

保育のプロセスを明らかにするものは研究しやすい
 
 例)×歳児クラスの○○の指導方法
効果を検証するものは研究しにくい
 例)×歳児クラスの○○の指導効果

◎対象を絞ると研究しやすい
 例)砂場に加える素材と道具で×歳児の遊びはどう変わるか
△対象が広いと研究しにくい
 例)砂場の工夫

◎子どもの生活や遊び(経験)で育つ課題は研究しやすい
 例)言葉の豊かさを育む保育
△子どもの器質・生理の課題は研究しにくい
 例)お昼寝から起きられない子ども

◎保護者支援では子育ての知識・技術に関する課題は研究しやすい
 例)朝食アンケートを活用した保護者支援
△保護者の資質的な問題は研究しにくい
 例)忘れ物が多い保護者の支援

保育者を対象とするものは研究しやすい
 例)×歳児の排泄に関する援助の方法
子どもを対象とするものは研究しにくい
 例)×歳児の排泄行動


次に短いスケジュールで、複数の園の、初めて出会う保育者同士が研究する場合のヒントを。

たとえば数回で研究をまとめるスケジュールの研究がありますよね。園が離れているので日常的に話し合うことも難しい。タイトなスケジュールでアンケートなどを行ってしまうと、項目の検討や集計ばかりの話し合いとなり、保育について語らない研究になりがちです。
異なる園の先生方が集まって研究する場合には、その違いを生かして、各園の保育内容や保育者の考え方を発表しあって研究するなんてどうでしょう。たとえば、こんな感じ。

○歳児クラスの玩具の種類と量
○歳児クラスの絵本の選択の根拠
○歳児クラスの生活の流れとその考え方
○歳児の園庭での遊びの種類
○歳児クラスの月間指導計画の作成方法
○歳児の集団遊びの種類と内容

各園の内容とその根底にある考え方を発表しあう。ピックアップした数園へ見学へ行き、そこでの生活の流れや環境を記録する。各園の違いから気づいた点を話し合い考察としてまとめるなど、保育観や子ども観を、言語化する作業をすることによって、数回の研究会でも、参加した保育者が言葉を磨き、保育の質を高めることができそうです。



保育の研究大会で、保育の実践報告・交流が盛んになることを期待したいと思います。

コメント

トラックバック