掃除の仕方、箸の持ち方・・・せいかつ図鑑2012/11/03

「先生、箸の持ち方に自信がないんですけど・・・」。保育実習の授業で出た質問です。

掃除・洗濯・食事作り、布団の上げ下げ、衣類をたたむ・・・、施設実習ではこんな日常生活の技能が必要となる場合があります。でも、「家事はやったことがありませ~ん」という学生が多くて、わたしもつい「大学では家事を教える予定はありませ~ん。おうちで教えてもらってくださ~い」と言いたくなります。

授業で学生におすすめしたのが、小学館の「せいかつの図鑑」(流田直 小学館の子ども図鑑プレNEO 2010)




小学生向けに生活技能、季節の行事など生活に必要な技能が写真入りでわかりやすく説明されています。


ほうきの使い方だって、ほらこんなに丁寧に。


アマゾンの本の解説には
「学校・家庭でことさら教えないが、実はできていない、衣食住での事項を取り上げ、図鑑にしました。
写真、イラストで楽しく覚えられ、学力に直結していく「段取り力」を身につけられます」。
・・・学力に直結ですか、う~ん。
またアマゾンで「この本と一緒に購入されている本」を見ると、お受験関連の本が出てきます。なるほど、小学校のお受験対策でも、生活習慣を身につけましょうとか、家庭で季節の行事を経験させましょう、なんて言われるらしいですね。

何にしろ、実習前に一度目を通しておいた方がよいかも。

学園祭特別企画2012/11/14

学園祭が近づいてきました。
いつもなら、ルンル~ンと模擬店を回っているところですが、今年は2年生の主題演習の発表日。授業なの!

高山クラスは、手作りおもちゃの展示をしています。
11月17日(土)、10時から15時まで。1206教室(ここみ広場の2階)です。

最後の仕上げに忙しい学生の様子を御紹介(もちろん許可済み)。


モンテッソーリの手作り玩具の説明書きを描いています。0、1、2歳児クラスの玩具充実に。



ことばを育む教材。背景をダンボールに張っています。
                   古布でつくると雰囲気がぜんぜん違う・・・


トランスパレントペーーパーでつくった飾り。光を通すとまたステキ。



積み木班も、今週はすごいスピードで追い上げています。
                  当日はどんなまちができていることか。楽しみです。

T念君、お手伝いありがとうね~。ゼミのみんなも金曜日の飛び入り参加、待ってるよ。

保育園、幼稚園の先生方、お茶を入れてお待ちしています。皆さん遊びにきてくださ~い。

雨のなかありがとうございました2012/11/18


こんな浜松名物の冬の真っ青な空でお迎えしたかった学園祭ですが、残念ながら学園祭一日目は雨。


雨の中、大勢の皆様にご来場をいただきまして、ありがとうございました。


どの子も滞在時間が長いこと。学生たちは、子どもが単純な素材でじっくり遊ぶ姿や、何度も何度も同じことを繰り返す姿にふれて、改めて遊びの素材を選択することの重要性と、環境構成の力を実感できたかと思います。
 


しかし私はというと、学生が目の前にいると、ついついOJT(on the job trainig) 気分に。
「遊びのきっかけをつくって」、「この遊びのときは積木は離して」と口が、体が・・・。
遊びが滞留すると動きたくなる。保育士体質は抜けません。





 


                 
 
                子どもたちの遊ぶ姿は、ブログ許可をとり忘れました・・・。


「ごっこ遊びの空間はもっと広い方がよかったですね」など、学生の感想が高度だと自己満足(笑)。
みんな、お疲れ様でした。今度じっくり振り返り会をやりましょう。

今日は、真っ青な空が広がりました。
学園祭二日目は、模擬店めぐりも楽しみたいと思います。

保育の研究テーマ2012/11/25

つい、窓の外ばかり眺めてしまう季節です。

                        


今週は、保育の先生方の真摯で誠実な姿勢にふれる機会が多く、背筋がのびました。皆様ありがとうございました。先生方のお話を伺うことで整理できた内容をブログで紹介します。
今回は、「保育者の研究」のちょっとしたヒントです。

まずは、保育者が研究を行う場合に取り組みやすい研究、取り組みにくい研究を比較してみました。

現状や課題を明らかにするものは研究しやすい
 例)×歳児クラスの玩具の内容と量について
理想や回答を見つけるものは研究しにくい
 例)どんな絵本がいい絵本か

保育のプロセスを明らかにするものは研究しやすい
 
 例)×歳児クラスの○○の指導方法
効果を検証するものは研究しにくい
 例)×歳児クラスの○○の指導効果

◎対象を絞ると研究しやすい
 例)砂場に加える素材と道具で×歳児の遊びはどう変わるか
△対象が広いと研究しにくい
 例)砂場の工夫

◎子どもの生活や遊び(経験)で育つ課題は研究しやすい
 例)言葉の豊かさを育む保育
△子どもの器質・生理の課題は研究しにくい
 例)お昼寝から起きられない子ども

◎保護者支援では子育ての知識・技術に関する課題は研究しやすい
 例)朝食アンケートを活用した保護者支援
△保護者の資質的な問題は研究しにくい
 例)忘れ物が多い保護者の支援

保育者を対象とするものは研究しやすい
 例)×歳児の排泄に関する援助の方法
子どもを対象とするものは研究しにくい
 例)×歳児の排泄行動


次に短いスケジュールで、複数の園の、初めて出会う保育者同士が研究する場合のヒントを。

たとえば数回で研究をまとめるスケジュールの研究がありますよね。園が離れているので日常的に話し合うことも難しい。タイトなスケジュールでアンケートなどを行ってしまうと、項目の検討や集計ばかりの話し合いとなり、保育について語らない研究になりがちです。
異なる園の先生方が集まって研究する場合には、その違いを生かして、各園の保育内容や保育者の考え方を発表しあって研究するなんてどうでしょう。たとえば、こんな感じ。

○歳児クラスの玩具の種類と量
○歳児クラスの絵本の選択の根拠
○歳児クラスの生活の流れとその考え方
○歳児の園庭での遊びの種類
○歳児クラスの月間指導計画の作成方法
○歳児の集団遊びの種類と内容

各園の内容とその根底にある考え方を発表しあう。ピックアップした数園へ見学へ行き、そこでの生活の流れや環境を記録する。各園の違いから気づいた点を話し合い考察としてまとめるなど、保育観や子ども観を、言語化する作業をすることによって、数回の研究会でも、参加した保育者が言葉を磨き、保育の質を高めることができそうです。



保育の研究大会で、保育の実践報告・交流が盛んになることを期待したいと思います。

保育環境としてじゅうたんを選ぶ2012/11/28

保育カタログを眺めていると、一般家庭のインテリアとは異なる商品が目につきます。
保育園・幼稚園のじゅうたんや足ふきマットには、大きく描かれた動物、キャラクターの模様、原色同士の組み合わせなど、家庭ではとても置けない製品があります。

たとえば、じゅうたん。


カラフルな模様はワクワクしますが、
この上で、毎日すごすのはちょっと。。。


これもパズルで遊ぶ分にはいいかもしれませんが、
遊びには集中しにくいかも。


ミッフィーはかわいいけれども、
カラフルな模様があると、置かれたおもちゃに注意を向けにくいかも。踏んでしまいそう。


カラフルな色彩と、新規性が高い模様は、イベントで子どもを大勢集めたいとき、子どもを興奮させたい、喜ばせたいときには、ピッタリです。誰でもキャラクターや強い刺激を使えば、子どもを引き付けることができます。

けれど、教育とケアの環境としては、原色やキャラクターにあふれた部屋はあまり好ましいとは思えません。子どもが絵本を読んだり、自分で遊びを創りだすためには、カラフルな色彩や模様は、むしろ邪魔。
原色があふれた集中しにくい環境のなかで、落ち着いて活動し食事をしなくてはならない子どもは大変です。

子どもたちは、保育者の関わりだけで育つわけではありません。子どもたちの心は、毎日まわりのものを見て、かいで、ふれて、感じて育ちます。大人が準備した環境の、色や形や材質や音が、子どもたちの心を育んでいます。

保育者は、環境構成のプロ。
じゅうたん一つを選ぶときでも、保育の目的・方法・内容、子どもの発達と適した保育など専門知識に基づいて、こだわりたいですね。