手を使いたい子どもたちのために2015/07/23

このブログ、環境構成だけでも40近い記事になってしまいました。。。保育環境を変えてみたいと考えている先生には、まずは左のカテゴリ一覧から「環境構成」の記事を読み、次に「本の紹介・保育」の記事から、参考資料を読むことをお薦めしています。(古い記事ほど基本図書を紹介しています)。子どもの発達に合った遊びの素材や道具を、少しずつ揃えることから始めてみてはどうでしょうか。

物を意図的に操作する遊びは、8か月頃からはじまります。
1歳頃には立ち上がり、言葉を話し、次第に道具を使うようになります。子どもの発達の道筋は、人類の歴史を見ているかのよう。

手が著しく発達する時期のため起きている間中、物を触りたいという発達の欲求に満ちている1歳頃の子どもがいるクラスでは、室内の物的環境の充実が欠かせません。しかし、子どもの発達にピッタリと合った市販の玩具は、とても高価です。

先日お伺いした「未来のひろば」さんでは、先生方が手作りした玩具(教具)を、数多く見せていただきました。

これは0歳児クラスで撮った写真。1歳児クラスは数や高さを変えていました。


ファスナーを開く、閉じることを教材化した手作りの玩具(教具)。繰り返しできるようにしているところが市販品よりもいいですね。


2歳児のクラスでは、髪の毛をゴムで結ぶ、フェルトで作った洋服を洗濯バサミで干す教材がありました。
3歳以上のクラスは、三つ編みができるように髪の毛は三色に分かれていました。


こちらはスナップ止め。一人で繰り返しできる大きさで作られています。タッパやトレイを使い、棚などにも写真を貼ることで、自分で選び、机に座り、終わって片づけるまでの行為を、環境が助けています。1,2歳児の場合には、このように構造化した環境が適していますね。


ボタンをはめる、はずすと、バックルをはめる、はずす。


0歳児クラスで見つけたスイッチ。他にも数多くの手作りがありました。


自分の思い通りにコントロールすることができる器用な指先の獲得は、先生方が準備した物的環境に支えられています。「未来のひろば」の先生方突然おじゃまして申し訳ありませんでした。ありがとうございました。

生活を教材化した操作遊びの手作り玩具(教具)は、以下の本も参考にすることができます。
相良敦子「お母さんの敏感期」文芸春秋、2007(文庫版)
松浦公紀「0歳~3歳のちから」学習研究社、2005 

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