子ども観・保育観・遊び観2015/11/07

保育環境の研修会では、
まず子どもの遊びをどのように捉えるか、
からスタートします。

(今さら遊び?)と思われることもあるようですが、
保育環境には、その保育者のもつ子ども観、保育観、遊び観が現れます。
またそれらは、どんな絵本を選ぶか、
どのような行事をするか、
どのように子どもと関わるかなどにも現れます。
保育者養成に関わる仲間たちと
この中核の部分を育む授業を模索しているところです。




たとえば、子どもを幼稚な存在だと考え、
子どもの遊びを大人と同じような楽しみや気晴らしだと考えていると、
子どもを喜ばせるタイプの玩具が置かれます。
保育者の役割を子どもに何かを教えることや楽しませることだと考えると、
シアターや壁面の製作が優先され、
テレビの話題や真似を保育に取り入れることも多くなるでしょう。

保育環境の研究で聞き取ってきたのは、
「なぜその環境なのか」という環境の背景です。
環境を改善していくためには、
まず子ども観、保育観、遊び観の見直しからはじめ、
環境構成の原則と、多様な環境のバリエーションを知り、
状況に合わせて試行錯誤で工夫を重ねていくことが、
着実な方法ではないかと行きついたところです。
(これからもっといい方法が見つかるかもしれませんが)。

また、保育の環境は、
提供される文化とかみ合うことによって、
充実した遊びが展開
されます。



子どもはとても強い印象を受けると、
それを行為として表現
したくなります。
子どもたちのイメージを広げる絵本や詩、歌、
大人の仕事を見る機会、体験の機会、散歩で出会うもの、
本物の劇や演奏などに触れる機会など。
限られた保育の時間で、どんな出会いを最優先にするか。
保育者の悩みはつきません。

保育の教材研究は、室内・園庭の環境だけでは終わりません。
実に奥が深いですね。

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