保育プロセスの質を高める2016/04/14

熊本の先生方、子育てひろばの皆さん大丈夫でしょうか。落ち着きませんがp研でブログに書くと書き込んでしまったので書かないと仕方ありません。

保育実践に新しい視点をもたらす本の紹介です。
「『保育プロセスの質』評価スケールー「乳幼児期のともに考え、深めつづけること」と「情緒的な安定・安心」を捉えるために」イラム・シラージ+デニス・キングストン+エドワード・メルウイッシュ著
秋田喜代美+淀川裕美訳、明石書店、2016

全米乳幼児教育協会の「乳幼児の発達にふさわしい教育実践」も貴重な情報を提供していますが、本が小さく読みにくいので紹介しませんでした。こちらはB4で、一つの項目が見開きで読みやすさにとても配慮があります。埋橋先生が翻訳されたエカーズ等と、形式は似ています。

この評価スケールの特徴は、サブカテゴリ―の項目です。

1.信頼・自信・自立の構築
2.社会的、情緒的な安定・安心
3.言葉・コミュニケーションを支え、広げる
4.学びと批判的思考を支える
5.学び・言葉の発達を評価する

学びとケアのアウトカムに沿ってカテゴリーがつくられ、
「何のために」「なぜそうするのか」を毎回目にしつつ
具体的な実践を評価する項目が並んでいます。

各項目の実践を評価する指標は、こんな感じです。
【サブスケール1】信頼、自信、自立の構築
項目3 小グループ・個別のかかわり、保育者の位置取り
とてもよい 7.2 すべての環境を通して子どもたちの学びの足場かけをすることに十分な時間をかけている。また、子どもたちの学びの足場かけする際、自分がかかわっている子どもたちの姿に集中している。その一方で、他の子どもたちに対しても気持ちを向けていて、応答的である。

他者が保育を観察し実践を評価するためのスケールとしての本ですが、
私がもし保育実践者として使ならば、
評価チェックなどはしません。たぶん。
①各項目の「よい」「とてもよい」実践を読んでいく。
②信頼の構築だったらもっとこんな実践もある、とカテゴリーを見ながら本に書き込んでいく。
③気がつくことをどんどん空欄に書き込んでいく。
そういうノート的に使っていくと思います。(もちろんその後全部読みますが)

チームで、実践を高めるために読むときには、
①まず本を読む前に、「信頼、自信、自立の構築」というテーマで、グループに分かれて
「不適切な実践」と「とてもよい実践」として思いつくことを模造紙などに書き込んでいく。
②書き終わったら他のグループの内容も互いに読む。
③本に書かれている、不適切ととてもよいの内容を読む。
④気づいたことや、疑問点、意見などを交換する。
こんな感じで使うかなと。
「この本との対話で私たちの新しいスケールをつくろう」という意識で使うと思います。

このスケールは関わりの質を振り返りやすい内容です。
関わりの質は、構造の質に左右されます。
もしも関わりの質の問題が大きいと感じた場合は、
まず物的環境を整え、時間の環境を変え、
クラス編成、グループ編成などを変えることが最優先かと思います。

スケールの内容、後半の遊び、発達のまとめ部分も含め、この本を読むことで、日本の先進的な保育実践のレベルがいかに高いかを再認識させられました。日本の素晴らしい実践を、すべての園の質確保のために使える方法はないものでしょうか。

コメント

トラックバック