絵本選びの根拠2016/05/19

ゼミで、絵本選びのワークをやってみました。
日本保育者教育学研究会の授業実践研究会で、教えていただいた授業実践。3年と4年に分かれて20分ほど。


4年生のワークは同じ物語で出版社が異なる絵本。お題は、「幼稚園・保育園で優先的に読み聞かせしたい順番に並べる。そしてその根拠を説明する」です。もちろん正解はなし。さあ、どの順番に並べるでしょうか。

(左上から順に)

まつい ただし, あかば すえきち、ももたろう、福音館書店、1965

いもとようこ、ももたろう、岩崎書店、2001

柳川 , 水端 せり, 宮尾 岳、ももたろう、永岡書店 1998

市川 宣子, 長谷川 義史、ももたろう、小学館、2010

松谷 みよ子, 和歌山 静子、ももたろう、童心社、2006





こちらは3年生がやったワーク。4歳児クラスで読みたい絵本はどれか。5歳児クラスでは?。その根拠は?もちろん正解はなし。すごく悩んでいました。

石井 桃子, 赤羽 末吉 、したきりすずめ、福音館書店 1982

いしい ももこ, あきの ふく、いっすんぼうし、福音館書店 1965

時田 史郎, 秋野 不矩、うらしまたろう、福音館書店 1974

瀬田 貞二, 赤羽 末吉、かさじぞう、福音館書店 1966

平野 ,太田 大八、やまなしもぎ、福音館書店 1977



学生は、左からこんな順番で並べました。根拠として「言葉にリズムがあっておもしろい」、「詳細に書き込みすぎているから子どもが想像する余地が少ない」、「ストーリーが違う」、「本が小さい、家ならいい」など。絵や言葉、ストーリーに着目して根拠を説明。もっと時間があれば、違う意見も出たかもしれません。
「子どもが喜びそう」、「絵がかわいい」、「絵がはっきりして見えやすい」という理由は出てきませんでした。学生は、アニメ絵本を一位か二位に選ぶと聞いていたので、ちょっとホッとしました。

保育者が読み聞かせをする絵本は、子どもに影響を与える重要な文化財です。また絵本の言葉は、保育者の言葉となり、子どもの言葉となります。保育者が何千冊の絵本のなかから読み聞かせの絵本を選ぶのは、料理人で言えば、世界中の産地の中から必要なお肉を選ぶって感じでしょうか。

教えていただいた授業実践では、同じタイトルの絵本を探すことをグループの課題にしていました。また100冊の読み聞かせ絵本リストをつくる課題を課している大学もあるそうです。他の先生方の教育実践はとても参考になります。


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