挑戦も、安心も、の園庭環境2018/03/26

待ちに待った本が、届きました。

木村歩美、井上寿著
『子どもが自ら育つ園庭整備: 挑戦も安心も大切にする保育へ』
ひとなる書房 2017
子どもたちが挑戦できて
大人が安心して見守ることができる。
それこそ、多くの保育者が求める園庭ではないでしょうか。
本書には、「子どもが育つ園庭づくりのポイント」
「大人が安心して見守ることができるための園庭づくりのポイント」が
豊富な写真とともに、まとめられています。

園庭の改善に取り組んだ各園のプロセス紹介では、
一日で撤去した遊具も、なぜ撤去したのか、
その理由と写真が掲載されているのです。
この、じっくりゆっくり、試行錯誤のプロセスが、
子どもへのまなざしが変わるために必要な時間だと感じました。

また、
p88からの「園庭を構成する環境要素とその関係性」と、
p116からの「園庭での大人の安心感には何が必要か」は、
大型遊具を選ぶ園長のみならず、
園庭づくりや園設計、遊具開発に携わる方にも、
読んでほしいポイントです。

園庭や公園の遊具には、
大人がハラハラして見守らないといけないものが
とても多くあります。
元々事故が起きやすい形状をしているために、
保育者が、子どもを止めないといけないことがおきます。

この本を読んで、
保育者が、ハラハラする大型遊具と、
安心して見守ることができる大型遊具の違いを理解し、
その改善方法がわかると、
安心して大人が子どもを見守ることが増えるでしょう。
「園庭が変わると、子どもが変わり、大人が変わり、保育がもっと楽しくなる!」
ですね。(カバー裏より)

環境構成の原則の研究者として、
とても面白いと感じた部分は、
p38のコラム「どんな『動き』を誘いだしたいか」です。

木村先生は、乳幼児期に身につけていく動きを、
①地球で生きていくために要求されるもの、
②生活を維持・向上させるために要求されるもの、
③社会を維持するため・競技に取り組むために要求されるもの
の3つに分け、
①②を優先することが大事だと述べます。

この観点で、改めて全体の写真を見直すと、
自然界にある形状に近い遊具づくりが行われていて、
「直線、等間隔、同じ太さなど自然界では存在しないパターンで構成された」
人工的な遊具よりも、①の動きを引き出し、
自分の身を守る力も高まるように構成されていることがわかります。

p124の「声かけの怖さ」は、
保育者や保護者に読んでほしい部分です。

最後に、p146~157の
小林じゅん子先生(前西池袋そらいろ保育園園長)が書かれた
「私たちの縁庭物語」は、感動ストーリーでした。
読み終わった後、「すばらしい」と拍手したくなります。

園庭を改善してみたいと思う保護者や保育者は、
まずプロローグと第一章のカラー写真をながめ、
そして「私たちの縁庭物語」を読んで、
そして本文へは、いかがでしょうか。

今回は、私の本に対してAmazonにいただいたコメントを
ちょっと真似して書いてみました。

今日は、研究会のエクスカーションで、本書に紹介されている
鳩の森愛の詩瀬谷保育園さんへおじゃまします。楽しみです。