構造構成主義2010/05/16



私は月に数十冊単位で本を読みます。
ほとんどは授業準備と研究のためですが、教育・研究分野が「保育」のため、手に取る本は心理学、生理学、社会学、医学、看護学、教育学と広くならざるをえず、心理学も、認知心理、発達心理、臨床心理、教育心理、社会心理とさまざまな本を乱読することになります。購入するのはごく一部。ほとんどはパソコンに一部を入力して図書館に返却しますが、線を引いて読みたいものや、どうしても手元に置きたいものだけ購入します。

そんな私が2009年度に購入した本で、出会えてよかったNo1は、

西條剛央「構造構成主義とは何か」北大路書房 

「質的研究とは何か」で、西條剛央氏を知り、あれこれ線を引いて読みあさりました。「研究」と「研究者」に不信を抱いていた保育者時代。2年前に、自らその世界に入ろうと決めたわけですが、研究者コミュニティと、実践者コミュニティで、異なる言葉を使わなくてはならないこと、異なる価値観で仕事をしなくてはならないことに葛藤を感じてきました。実践者をエンパワーできる研究者をめざして研究という立場を選んだわけですが、本当に保育研究は保育にとって意味はあるのか?保育の実践者が本を書けばいいじゃないかと悩み続ける日々でした。

この一年、何度も西條剛央氏の本を読み直し、研究は実践の大きな骨組みを示すことはできるはずだ、それはきっと保育者の役に立てるはずだと自分を励ましてきました。これからも、きっと自分の役割に迷ったとき、この本に立ち戻るでしょう。西條剛央氏の誠実な文章にふれると、ねじ曲がりそうな心がまっすぐに戻ります。西條剛央氏に感謝しています。

もしも、私と同じ悩みを抱えているひとがいたら・・お薦めします・・いない?

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