幼児にぴったりの体操をつくる2014/12/14

卒論提出まであと数日。ゼミでは3年生も一緒になって卒論モードです。
本学では、乳幼児期の運動の重要性をしっかりと学生に伝えて下さる先生のおかげで、運動の研究に取り組む学生がゼミに複数います。

先日のゼミでは、体操を研究する学生のために、アンパンマン体操の振り付けを2歳児・5歳児向けに修正するという課題を出しました。実はこの課題は、乳幼児期の運動発達過程を理解していること、幼児期に経験したい動きを理解していることが必要なので、学生にはちょっと高度すぎる課題です。予想通り、2歳児グループも、5歳児グループも、「難しい~」と音を上げました。

アンパンマンの曲に、乳幼児向けの振りをつけることが難しい理由は、もう一つあります。
それは歌詞。アンパンマンには意味をもった歌詞があるため、「もし自信をなくしてくじけそうになったら」、「いいことだけいいことだけ思い出せ」などの、歌詞に合わせた表現を考えたくなってしまうのです。歌詞にも合い、幼児期の発達にも合う動きを探すのはとても難しい。
一小節ずつ歌詞の雰囲気が違うと、そのたびに動きをしょんぼりしたり、元気にしたりしたくなります。幼児は同じ動きを何度も繰り返すことが大切な時期です。もしも体操をさせるのであれば、保育者は動きを丁寧に着実に指導したいもの。一小節ずつ動きを変えると、いい加減な動き方になり、保育者は、どの子どもがどのような動きをしているのかを把握しにくくなります。そうすると、体操をわざわざ一斉に取り組む必要性が減ってしまいます。

たとえば、「線路は続くよどこまでも」ですと、歌詞はありますが、「線路は続くよどこまでも」「野を越え山越え谷越えて」「はるかな町までぼくたちの」とずっと汽車が走っているイメージですから、一曲、振りを繰り返しても違和感がありません。歌詞の内容によって、体操に使いやすい曲と使いにくい曲があります。

乳幼児から小学生など異年齢が集まるイベントや大人向けのイベントでは、気分が上がるアンパンマン体操がぴったりだったりします。しかし保育者が、教材として使う場合には、まず目の前の子どもありき。目の前の子どもたちにぴったり合った動きと、ちょっと挑戦的な動きを考えること。幼児期に経験したい動きを入れること。そして同じ動きを大人はうんざりするぐらい繰り返すこと。そして、それが可能な曲を探すこと、と説明していると、「体操って、曲選びも考えないといけないんだ~」と声が上がりました。


卒論を書くために、遊ばないといけない私たち・・・広い保育実習室が活躍中です。

保育はこれが正解、という教え方ができない領域。
保育も大学教育も、探し続ける、考え続けることが必要。
私自身が、くじけない、あきらめない、投げ出さない力を持たなくてはと、今日も中腰で歯磨き中。


コメント

_ 高山静子 ― 2016/07/14 22:06

桃子先生、ご質問をありがとうございます。子どもたちへの思いが伝わるメールを拝見してとてもうれしくなりました。

さて体操ですが、基本的に集団で行う体操は、3歳児クラス以降が、発達に合っていると思います。012歳はまだ集団で動く年齢ではなく、それぞれの子どもがそれぞれに合った動きを繰り返し行うことが、着実に動きを身に着ける良い方法です。

0歳児クラスでは、ハイハイでまてまて~と鬼ごっこをしたり、階段上りや斜面登りをしたり、柔らかなマットやふかふかの絨毯を置いて、ごろごろと寝転がることを促したりと日常の遊びのなかで多様な動きができるようにするのはどうでしょうか。
また、わらべうた遊びやひざのせ遊び、じゃれつき遊びには、多様な動きを経験できる様々な遊びがありますので、それらの教材を増やし、個々の子どもや数人の子どもと行ってみるのはいかがでしょうか。

模倣が大好きな子どもは、大きいクラスの子どもの真似をして体操やリトミックなどの真似をすることがあるかもしれませんが、3歳以上児と同じ活動を、012歳児クラスの保育として日課に取り入れる必要性は、低いかもしれません。ご参考まで。

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