保育者の関わりは専門性2019/04/13

二年連続でやってしまいました。日本保育学会での発表の登録ミス・・・。
連名発表の皆様にも、ほんとうに申し訳ない。
今年も、空き時間は、書店のブースにいると思います・・・。

保育の専門性を言語化する研究の第二弾が出ます。
「保育者の関わりの理論と実践-教育と福祉の専門職として」エイデル研究所


保育という複雑な職務を養成可能にするためには、構造として分けることが必要です。
環境構成に続いて、今回は、この「指導・援助」の部分の理論化を試みました。

これまで、子どもとの関わりについては、保育者養成では科目すらありませんでした。
「え~!、保育士や幼稚園教諭って子どもとの関わり方を学ぶ科目がないの!?」
とっても驚かれます。そうなんです。なかったんです!

私は、ニュースに出る”不適切”な保育は、養成にも責任があると考えています。
保育者は、関わりの技術を習得することなく、個人の人間性と努力で集団の子どもと関わります。
一人ひとりの子どもと丁寧に関わり、同時に全員の子どもに目を配るなんて、人間業ではありません。
手遊びやピアノや造形の技術程度で、何とかなるわけがない。
一人で、1歳の6人、3歳の20人を”適切”に保育するには、環境構成や関わりの高度な技術が不可欠です。
しかしこれまで「集団の保育」は、「家庭の養育」と同じレベルで考えられてきました。

保育士養成課程の見直しでは、「子どもの理解と援助」という名称の科目が設置され、大きく前進しました。
ただその内容は、「保育の心理学Ⅱ」から移行したことと、幼稚園教諭養成課程の「幼児理解の理論及び方法」と兼ねるため、心理の視点から子どもを理解する方法が中心であり、「援助や態度」は、「基本を理解する」に留まっています。しかも、「援助や態度の基本とは何か」書かれている本はこれまでありませんでした。

この本では、根拠に基づく関わりができるように理論と実践を結びつけ、技術として習得が可能な関わりをまとめました。演習のワークを16入れて、園内研修、集合研修、養成の授業で使えるようにしています。

きっとこの本が出れば、長年関わりを研究されている先生方がもっと良い本を出して下さるでしょう。
それによって、保育の質がより高まることを願っています。

コメント

トラックバック