NHKの縦断調査中間報告2011/01/26

0-5歳の子どもとテレビ~子どもに良い放送プロジェクト調査中間報告
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/bangumi/kodomo/pdf/kodomo101207.pdf
子どもとメディアインストラクターの皆さん、要チェックです。

1歳児の視聴時間が最も長いなど興味深いデータが出ています。また3歳までに視聴している番組は、NHK教育番組が強く、「専念視聴」や「子どもだけで見ている番組」も教育番組というデータもありました。ある人はこのデータを見て、「テレビに子守をさせるならNHK」、「子どもをテレビ大好き人間にするには3歳までにNHK教育番組を」なんてキャッチコピーを作っていました。。。やっぱり夕方は静岡放送がいいかも(笑)。でも不利な調査結果も公表するのは誠実で評価できますね。

今回の中間報告書には、「映像メディア接触の内容と量は、子どもの身体発達、認知発達、社会性の発達、社会認識の発達に影響する」という研究の仮説に対する調査結果がほとんど含まれておらず残念。次回に期待しましょう。

赤ちゃんは、テレビ番組が流れていなければ、自分で遊びを作り出します。自分で遊びをつくり出せる子どもに育てば、親は後々楽な子育てができます。また、大人向けの内容しかテレビから流れていなければ、乳児はテレビに釘付けにはなりません。0歳、1歳、2歳の子どもを専念視聴させる番組が公共放送として必要なのか、専門家から疑問の声が挙がるのは当然だと思います。

仮説としては、「乳児向けテレビ番組の放映が、親子の生活スタイルを変える」とか、「0歳時期の視聴時間が、1歳以降の絵本への関心の高さに影響を与える」ということも考えられます。

この調査報告を読んでコワイと思ったことは、調査や研究は平均値にすることで、問題の深刻さを、隠す効果を発揮するのかもしれないということです。私自身も、研究報告書を意図しない方向に読み取られて驚くことがあります。報告の仕方にはくれぐれも慎重にならなければと改めて思いました。

子育ての現場にいる保育者や、子育て支援を実践し、日々子どもや親と一緒に苦しんでいる人たちからすれば、1歳児が平均1時間半テレビを見ていることよりも、一日6時間以上見ている子どもが少数でも存在することを、とても深刻に受け止めています。専念視聴が平均何分ではなく、刺激に弱い〇〇ちゃんが何十分もテレビに釘付けになってしまうことを問題だと感じているわけです。この社会に何か課題があっても、平均にすれば、それは課題として見えなくなる。平均から外れている人はその人自身やその親に問題があるとし、その課題と取組んでいる人たちの声をかき消し、「あれは個人的な経験にすぎません。データはこうです」と、一般の人たちを説得する材料に使われる可能性があります。

保育者は、「主観的だ」、「非科学的だ」と批判され続けることで、自分の仮説に自信を持てなくなることがあると思います。しかし、保育者の関心は、一人ひとりの子どもに向けられています。研究者とは関心や立場が異なることに自覚的になり、一人ひとりの子どもや保護者に寄り添い、経験知を積み重ねていることに自信を持ってほしいと思います。保育者は千人に一人しか問題でなくても問題だと感じる人たちなのです。

知恵の光で暗闇を照らすふくろう・・・みんなでホーホー鳴こう。

コメント

トラックバック