子どもの声がうるさいと、 ― 2016/04/28
子どもの声がうるさいと保育園が開園できなかったニュースがありました。誰かを非難する気持ちにはなれないけれども、眠れなかったので、できることを一人ブレーンストーミングしてみました。保育者として「うるさい!」と怒鳴られた経験、私もあります。苦情ほど保育者が疲弊するものはありません。空想が混じっていますからつぶやきカテゴりーに入れます。
保育園・幼稚園等の子どもの声が、少しでも問題にならないように変えられること、できること。(個人的な発想)
保育以外のこと。
●コンクリートジャングルでは声は響く。森のなかでは子どもの声はうるさく感じない。より自然に近い吸音性や吸水性の高い道路等の開発。道路は、タイヤが通らない真ん中の部分は土にしてしまう。ビルやマンションを建てるときには、その階数分の木を周囲に植えることを条例化(5階建ては5本、30階建ては30本)。人が暮らしやすい景観と音環境を考えてまちづくりをする。人の暮らしの質を高めるまちづくりのための法令や研究促進・普及することだけを行う部署を設置。
●長時間労働、深夜労働をできるだけ減らす政策。疲れ切っている人、睡眠不足の人、夜勤で昼間寝ている人が、子どもの声や大人のおしゃべりをうるさいと感じてしまうのは仕方ない。必要以上の深夜勤務、長時間労働の人が減るような社会を考える。私を含めみんなが少しずつ不便なことを受け入れる。働く人を大切にしている企業とサービスを選ぶ。フェアトレード商品のように誰かの犠牲の上に成り立たないサービスを選べるようにする。
●住宅はもっと壁や床を厚くする。人が幸せに暮らせる住宅を促進する。
●公営住宅は駐車場を外側にして住宅の周囲は芝生で緑たっぷりの庭にする。経済的に厳しい家庭の子どもが家の周囲で安全に遊べるように優先的に整備する。
●高齢者が健康で外に出られるまちづくり。少し体が不自由になるだけで外に出られない車中心のまちづくりを、歩行者が安心して歩けるまちにする。都市部と住宅街は一方通行を増やし車は不便になるようにする。歩きたくなる、座って子どもをながめていたくなる居心地の良い場を増やし、人が自宅にこもらないまちをつくる。
●科研に暮らしの質枠づくり。みんなが幸せに生きられる社会をもっと追及する。
●事情がある人以外は、家の直前まで車に乗るという発想を止める。健康な人は今よりも少しずつ歩く。みんなで少しだけ欲張ることをやめる。

コンクリートジャングルでは、赤ちゃんの泣き声と子どもの声は過剰に響く
保育に関連すること。
○クラス規模や園規模の上限を設定。園規模が日本は大きすぎ。集団が大きくなれば音が大きくなるのは当然。
〇園庭に土をたっぷり入れる。園庭は凸凹を多く設けて吸音効果をあげる。木を植える。木材の園舎を促進する。緑化促進は保育園・こども園・幼稚園を優先する。
〇吸音材を入れる。助成金も。乳幼児期に投資する。
○長時間保育であれば早朝から夜遅くまでにぎやかになるので地域の人は苦しいはず。幼児期までは、親子がゆとりのある生活時間がもてるようにする。子育て中の育児時間取得を促進。一人ひとりが30分早く帰る。
○どんなに質の高い保育をしても、苦情は生じる。地域保健師のように、地域ソーシャルワーカーを配置する。学校・幼稚園・保育園・認定こども園・子育て支援施設の先生方が、苦情の相談をしたり、地域との調整に助力してもらえるソーシャルワーカーを行政に要請できるようにする。
○市役所の担当課は、市民・保護者からの苦情を園に伝達する際には、受け止めきれなかった感情を園長先生にそのまま伝えないように配慮をする。市職員→園長→保育者→子ども、とストレスが伝播しないように。
保育内容に関すること。
〇保育者は、先生が大声を出さない保育をめざす。保育の質が向上すれば、先生の声の大きさと質が変わるはず。
〇子どもの声の質が違えば、うるさいと感じる比率は変わるかもしれない。保育者が子どもの声の質、話の質に関心をもつ。乳児クラスは喃語の量と質、1~4歳児クラスは会話の量と質、5歳児は話し合いの量と質に関心をもつ。誰もが不快に感じる子どもの声は、泣き声や叫び声。飛行機等で赤ちゃんが泣くのを不快に感じるのは、その子が苦しんでいるから。奇声を心地いいと感じる人も少ない。気持ちのよい声が聞こえる保育を目指す。
〇保育者が子どもにお楽しみを提供する「お楽しみ会保育」は、お誕生会のみにする。保育者が、子どもを喜ばせ興奮させるお楽しみを提供する園では、あそび歌、体操などをCDやマイク、笛などを使って園庭等で行うため過剰な音が発生する。幼児期に必要な動きが含まれ子どもの運動欲求や表現欲求が充足されるような活動を選ぶ。子どもだましのお楽しみ活動ではなく、教育とケアの意図をもった保育内容を選択する。
〇原色やキャラクターを飾った保育室で、子どもたちを喜ばせ興奮させる「遊園地のような保育環境」を変える。子どもが環境との相互作用のなかで学びを得られる教育とケアの意図をもった保育環境をつくる。
〇意図的な環境構成を行っていない園では、子どもは年長でも走り回るだけだったり、戦いごっこに終始するため声が大きくなる。教育とケアの意図をもって保育環境をつくる園が増えれば単に大騒ぎするだけの子どもは減るはず。
〇年長クラスには、子どもが根気強く集中し達成感を得られる環境と活動を入れる。
〇「欲張ること、誰かを犠牲にして自分が利益を得ようとすることは、人として恥ずかしいこと、悪いことだ」と感じる感性を幼児期に育む。昔話や、勇気とまじめさなどをもった人間として魅力のあるモデルが登場する文化財を提供する。今の格差社会を繰り返さないために。
○保育者養成校の教員は、「お楽しみ会保育」や「遊園地のような保育環境」を教えない。養成校の教育内容を、根拠:専門知識に基づく内容にする。
〇保育団体が、質を担保した研修を行う。研修会で「お楽しみ会保育」を地域に広げない。
〇保育雑誌、保育関係の出版社は、「遊園地のような保育環境」、「お楽しみ会保育」を保育者に勧める情報を発信しない。専門知識に基づく保育情報を提供している出版社は、多くの保育者が読めるように宣伝に力を注ぐ。
〇休み明けは子どもが荒れる。休日の運動不足、欲求不満を発散するかのように叫び回る子どもがいる。休日に家庭でDVDやテレビゲーム以外の遊びができるように、玩具の貸出や情報の提供を行う。朝からテレビを見てそのまま車で来る子どものなかには朝は走り回り落ち着かないこともある。子どもの声には家庭の経験が現れるので、家庭と一緒に考えることも必要。
〇公立の子育て支援の場、幼稚園・保育所は、休日の子育て支援、ホール・園庭開放などを行う。
〇公立の子育て支援の場、幼稚園・保育所は、休日の子育て支援、ホール・園庭開放などを行う。
〇質が確保された保育を行っている園は、保護者の保育体験の機会を増やす。家庭で過剰な刺激を与えすぎないために、子どもがもつ価値観を大人が知る機会をつくる。
〇市長さん、議員さん、市役所の保育課職員等の保育士体験の機会を設ける。(北九州市の議員さんはやっているそう)
○地域の自治会長さん、民生委員さんとの関係を深めておく。地域の方との交流機会を設ける。
○地域の回覧板に園のお便りを入れてもらう。
○苦情は園長や保育者が抱え込まない。保護者に、「こんな苦情があります」と情報を公開していく。
○理不尽な苦情で園長や保育者が疲弊しないように人格障害と精神疾患に関する知識を身に着けておく。
○鬼ごっこのような興奮性の高い活動、遊びのなかで大声を出すことが、幼児期の発達に必要であることを、わかりやすく保護者に伝えるお便りを出す。(これは私の仕事ですね)