保育園だって教育してるし ― 2010/07/20

「保育所の教育機能を知るワークブック~遊び編~」
幼稚園は教育で、保育園は保育、だから保育園では教育はしていないという誤解って、まだまだありますよね。保育所から認定こども園になった園の先生からは、「これからは子どもに教育をしてもらえる」と、保護者が喜ぶのを聞いて、「今までだって、教育をしていたのに」と、ガッカリしたというお話も伺います。
保育は、養護と教育を一体として行うもの。保育は、Care and Educationです。しかしそのことは保育関係者しか知りません。保育園ではこれまであえて「教育」という言葉を使ってきませんでした。それは、幼児教育=幼児教室のような使われ方への反発もあったように思います。
しかし、幼児教育に関心が向き、幼保一体化が現実味を帯びているこの時期となっては、保育所と幼稚園とは、3歳以上はほぼ同じ「教育のねらいと内容」を持っていることを、世間一般に伝える必要が出てきました。
保育園と幼稚園では、教育を、「遊び」と「生活」で行います。しかし、保護者は、ただ遊んでいるようにしか見えないとちょっと不安。保育園や幼稚園では、専門性が目に見える環境を作り、保護者に、園が行う教育について、言葉で説明できることが大切になっています。
このワークブックでは、いくつかの研究対象園の、おもちゃの選択基準や園の環境に隠れる保育者の教育的意図などを、保育室や園庭のカラー写真満載で紹介しています。
ワークブック形式で、自分が行う保育について書き込んでいくことで、この一冊を読み終える頃には、「私が園で行っている教育」を、保護者に説明することができるようになると思います。

【目次より】 保育所における教育とは◆保育士の指導・援助◆保育の内容を遊びや環境として展開する◆教育的な意図に基づいて遊びの環境をつくる◆言葉を用いた指導・援助◆8つの保育園のインタビューと観察調査より・・・など実践の知が満載です。 (*この冊子は、こども未来財団の委託研究を基にして作成を行ったものです。)
冊子は、これまで研修会でしかお分けできないものでしたが、百町森さんのご好意で取扱していただけることになりました。ご興味がある方は百町森さんのホームページをご覧下さい。