乳幼児期の運動は、食事や睡眠と同じ2025/05/18

最近2つの園の保育者から、「公園が危なくて子どもを遊ばせることができない」という話を聞きました。

車道へ子どもが飛び出すことが予測される公園の例

共通していたのは公園の隣が道路なのに子どもが飛び出さない仕組みがないこと。
それでは保育者も保護者も安心して子どもを見守ることができないでしょう。

こういう話をすると、「親や先生がちゃんと子どもを見るべきだ」と言う人がいますが、
元々人間には、複数の子どもを同時にどこで誰が何をしているかを見る注意力は備わっていません。
10人、20人の子どもの行動を一人で見守ることは元々無理なのです。
そのため幼稚園や保育園では、門に鍵を二重にかけて子どもが道路に飛び出さない仕組みがあります。
車道に飛び出す公園はプールと同じ。人の注意に頼って安全を守ことには限界があります。

園庭が狭く、公園でも遊ばせることが危険となると、子どもの育ちには不利益が生じます。
乳幼児にとって、体を動かすことは発達に不可欠であり、
食事や睡眠と同じように毎日欠かすことができない生理的欲求です。
「昨日は公園で走り回ったから、今日は静かにすごそうね」なんてできません。

乳幼児期の子どもに、「じっとしていなさい」と言うことは、
「あなたは脳を発達させていけません」
「あなたは能力を獲得してはいけません」
と言うことと同じ
です。

乳幼児は動くことによって新しい能力を獲得します。
1歳の子どもは高いところに繰り返し登っては、高いところに登る能力を獲得し、
2歳の子どもは走り回って、走る能力を獲得します。
大人は登る能力を獲得しているため、高いところを見つけても、いちいち登りません。
人間の子どもは、複雑な脳のシステムをつくるために、起きている間中、活動を欲しています。

昔は「放っておいても子は育つ」と言われ、子どもが動き回れる地域がありました。
しかし今地域は車中心のまちづくりであり、
多くの親は子どもを遊ばせるためだけに公園へ連れていきます。

まちのハードは、子どもと大人、両方の行動に影響を与えています。
まちと子育てについてはまたつぶやきたいと思います。


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