子どもを尊重する行動リスト2018/01/12

新年が開けてもう12日。今年もよろしくお願いします。

昨年末、群馬の園長先生から、全国保育士会が作成した
「保育所・認定こども園等における人権擁護のためのセルフチェックリスト」をいただきました。
園の急増による質の確保が難しい今、このリストを作るとは、さすが保育士会です。

項目には、
「朝、母親に抱かれて、なかなか離れられない子どもに「ずっと抱っこしてもらっていると恥ずかしいよ」と言葉をかける」など、具体的な例が並びます。
さっそく実習生の指導に活かしてみたいと思いました。

全国保育士会のホームページからダウンロードができます。



玩具と関わりの質2016/03/01

フルスピードで自転車操業を続けていたら、転んで骨折しちゃいました。さすがに反省中です。
掛札逸美先生のブログで、電気仕掛けのおもちゃ(光や音楽や言葉が出る)で遊ぶ時は、従来のおもちゃ(木のパズルやブロック)や本で遊ぶ時に比べて、親子の会話の量と質が落ちるという研究が紹介されていました。

現場にいらっしゃる先生方は、遊びの素材や道具によって関わりの質と量が異なることを体験的にご存知だと思います。これらを言語化して共有化できるとよいですね。

遊びの素材と道具(自然物、素材、廃材、玩具等)選びによって変わると考えられるもの
・遊びへの集中度
・遊びの継続性とひろがり
・友だちとの関わりの質と量
・大人(保護者・保育者)とのやりとりの質と量
・トラブルの発生頻度、けがの重症度
・維持管理にかける時間、コスト
・空間全体の雰囲気
・経験と学習
・感性
思いつくものを書き出してみると、けっこうありますね。

玩具には、個人で活動に没頭しやすいものと、友達との関わりが生じやすいものがあります。
「個人で没頭しすぎるので使う場と時間に悩む」と、先生方に伺うのがラキュー。逆に没頭しやすいタイプの子どもが好きな玩具とも言えます。昔ならば昆虫採集に、はまるタイプの子どもかも。

光保育園にて。

ある先生から、夕方の早い時間の異年齢保育では、友達との関わりが生じやすいものを選び、遅い時間は個人で遊ぶ玩具を準備していると聞きました。
先生方の工夫には、いつも驚かされるばかりです。

ストレスを力に変える2016/01/15

もう、ご覧になった方もいるかも。

観終わった瞬間に、ブログで紹介したくなってしまいました。
このブログを読んでいる方は、強いストレスを感じている人が多いでしょうから。

ストレスは、体に悪いことばかりではない。
ストレスへの思い込みを変えると体の反応まで変わるという
驚くような研究成果が紹介されます。

著作によると、ストレス反応には、「脅威反応」と「チャレンジ反応」があるのだとか。
この発想を活かしていけば、保護者の子ども同士のけんかの見方も変わりそう。
乳幼児期に心の免疫をつけるには、どんな子どもにどんな活動が合うのだろう。
家庭で脅威にさらされている子どものストレス反応を変えることはできるだろうか。
と、本を読みながら発想が広がっているところです。


TEDって、反転授業にも使えるかも。

乳幼児期の教育を伝えるお便り2015/05/14

「幼児教育」といえば、多くの人が思い浮かべるのが、ミニ小学校のような机に座った幼児教室。
子どもを机に座らせて何かをさせている園は幼児教育をやっていて、遊ばせている園は幼児教育をやっていないという誤解もあったりします。

「幼稚園教育要領」には、幼児の自発的な活動としての遊びは重要な学習であると示されています。幼児期の教育は遊びを通して行うことを理解していることが、幼児教育を学んだ証拠です。
保育では、ただ自由に子どもたちを遊ばせているわけではなく、幼児教育として意図をもって環境を構成し、子どもの文化を選択し、遊びを通して子どもが学びを得るように配慮しています。つまり毎日が総合学習。しかしそれをわかりやすく保護者に伝えることはなかなか難しいものです。

そこで、保護者向けのお便りの下書きを書いて、「どなたか、イラストや文章を完成させて下さいませんか?」と、ホームページに下書きをアップしていました。有り難いことにグレース保育園の先生方がお便りを完成して送ってくださったのです! 以下のホームページで完成バージョンのお便りファイルをダウンロードできます。
保育の専門性を高めるページ:ダウンロード専用ページ


「0歳児の効果的な教育とは」、「1、2歳児の効果的な教育とは」、「幼児期の効果的な教育とは」と、保護者のニーズに合わせてタイトルをつけました。白黒コピーで印刷してもわかりやすい編集です。A4一枚に印刷できます。




必要感のある学が幼児を伸ばします」、「保育園は幼児教育を行っています」、「幼児教育では、環境に教育的意図を埋め込んでいます」など、保護者の不安に応え、幼児期の教育方法を解説したお便りもあります。




園内研修の資料として、小・中学校の先生方に幼児期の教育を説明するときの資料にも、学童期との教育内容の連続性を話し合う資料としても、ご活用いただけるかと思います。


私の推定4歳と言われるイラストがステキなイラストに変身。感激です。


グレース保育園の甲斐先生、末元先生、廣次先生、ありがとうございました!!
ブログがきっかけとなった出会いに心より感謝しています。

オニの足あとに大泣き2015/02/28

チャイルドコミュニケーションデザイナーの平井亘さんとレモネードちゃんが、出張のついでに大学に寄ってくださいました。平井さんは、子どもたちの心に創造性の種をまくことを仕事にしてしまったすごい方です。





レモネードちゃんも、実習室のエリとプータンと、おしゃべり。(人形の名前は今つけました)

平井さんが活躍するレイモンド庄中保育園には、小学館の取材で伺ったことがあります。この日は、平井さんからデザインと保育、建築に対する思い、コミュニケーションデザイナーとしての実践など、様々なお話を聞くことができました。
なかでも面白かったのが、節分のオニのお話。レイモンド庄中保育園の節分には、ふん装をしたオニは来ないのだそうです。節分の日には子どもたちが登園すると、でっかい足あとだけが園内に残っているのだとか。
園内に残る足あとの写真や、足あとを見てオンオン泣いている子どもの写真を見せていただきました。
おもしろいですねえ~。子どもが想像を広げる余地を大きく残しています。

保育では、子どものつぶやきや絵本をきっかけにして、創造的な遊びを広げる実践がこれまでも紹介されてきましたが、そのデザイン自体を仕事にされる方って、たぶん日本に初めてなのでは?と思いました。
平井さんのチャイルドコミュニケーションデザイナーとしてのお仕事は、ホームページで一部を見ることができます。

「ものがたり保育」のページ


折しも、山崎由紀子先生の「身ぶり表現・ごっこあそび・劇づくり」フォーラム・A、2014を拝読したところでした。
自然や絵本を題材にして、子どもと保育者が繰り広げる創造的な実践が数多く紹介されています。



子どもを信じて待つ保育2015/01/22

森のようちえんピッコロの中島久美子先生に、ゲストティーチャーとして授業に来ていただきました。

中島先生は、小学館「新幼児と保育」、私の保育大賞「動物の死をめぐって」のエッセーが縁で出会いました。保育を見に行きお話を伺い、講演会も山梨まで聞きに行きました。

以前いた大学では、保育内容「環境」の授業で中島先生のエッセーを学生に配布していました。今の大学でも、今年から環境の授業を持つことができるようになったため、中島先生にお願いして大学まで授業に来ていただきました。




「こどもこそミライ」の映画にもピッコロの保育は紹介されていますが、その保育の醍醐味は、中島先生の話を聞くことで味わうことができます。森のように環境が豊かな場であっても、中島先生は、プロとして「保育」をしていらっしゃいます。全身全霊を込めて見守る姿勢、必要なときにはしっかりと子どもと向かい合う姿勢、保育なのです。

中島先生は、いくつかの保育のエピソードを使いながら、保育者の意図や思い、保育者の役割を、見事に学生に伝えていただきました。




(プロジェクターに映る森の写真は、私が準備しました)。


中島先生は、東京家政大学ナースリールームの井桁容子先生と雰囲気が似ていらっしゃいます。(よく言われるそうです)。不思議なことに、お話の本質的な部分も、お二人はよく似ていらっしゃるのです。井桁先生と中島先生は、それぞれ乳児、幼児と、保育対象は異なりますが、保育とは何か、子どもをどのように捉えているのか、保育者の役割は何かなど、保育のエピソードを使いながら保育の本質を語る、貴重な先生方です。

お話には、「子どもが命のなかに囲まれている」、「保育は生き方」、「自分のボタンは自分で押す」、「言葉で教えない」など、大切なキーワードが次々に出てきます。子どもにとって豊かな環境とはどんな環境なのか、私たちは子どもをどのように捉えているのか、私たちはどんな人間を育てようとしているのか、私たちはどんな未来をつくりたいのか・・・。話を伺いながら、どんどん深い思考へと導かれていきます。こういう講義が、何年経っても心に残るのだろうなあと思いました。

中島先生のお話を、ぜひ幼稚園、保育園の先生方にも聞いていただきたいと思いました。
「子どもを信じて待つ保育」・・・基調講演にぴったりの内容です。


インタラクティブ・ティーチング2014/11/23

このブログは頻繁に書かないようにしていますが、取り急ぎ、保育者養成校教員の方にお知らせです。

今、gacco(大学教授陣による講義を無料で受けられるオンラインサービス)で、栗田佳代子先生と、中原淳先生らによるインタラクティブ・ティーチングの講座が、11月19日から開講しています。学習者が主体的に学ぶ双方向の授業を実現するための考え方や具体的な方法を無料で学べるという何ともありがたい講座です。

大学の教員になってしまうと、アクティブラーニングやワークショップのファシリテーター養成講座など、長時間の講座に参加しにくくなりますが、8週間の講座がネットで夜に学べます。
ダウンロード資料だけでも、PDFで79ページ。授業の質を高めるための参考資料やホームページが数多く紹介され、それだけでも勉強になります。

「保育、変わらなきゃ」という本がありましたが、専門学校、短期大学、大学の授業も変わらなきゃ。
子どもを生活の主役にできる保育者を輩出したいと思ったら、まずは、養成校で学生が主体的に学ぶ授業をしたいものです。養成校教員の皆さん、一緒に受講しましょ。


「わたしの保育記録」を今年も募集中2014/08/13

日本児童教育振興財団が主催する「わたしの保育記録」の作品募集。今年も締切が迫ってきました。





締切は9月10日(水)。字数は4000字以内ですから、A4で二枚半程度です。
大賞賞金30万円、佳作賞金10万円ですが、大賞を受賞したら休暇が1か月、佳作だと休暇2週間とか、副賞が園から出るとうれしいだろうなあ。

「保育記録」では、「保育者の思い」を、ありのままに読めるのがうれしい。

入賞作品は、小学館の「新幼児と保育」やホームページで読むことができます。
私は授業で、入賞作品を使わせていただいています。
今年もどんな記録を読めるのか、とても楽しみです。


無料のe-Learningで園内研修2014/06/21

テレビやビデオなど映像系に映るのが大の苦手な私ですが、今、幼児教育を保護者に説明することができる保育者が増える必要があると考え、放送番組の仕事をお引き受けしました。

日本保育協会さんのホームページへアクセスして、

この右側に見える 「保育e-Learning(保育者の無料の保育研修サイト)」というボタンをクリックすると


小西さんの素敵な写真が出迎えてくれます。


「研修内容を探す」をクリックすると、様々な研修テーマの一覧が出てきます。
登録は簡単。かつ無料です園にプロジェクターがあれば、職員全員で同じ研修を受けることができます。研修内容は、20分から40分ぐらい。見て話し合うのにぴったりの長さです。

講師は、網野武博、井桁容子、遠藤利彦、大方美香、岡健、汐見稔幸、橋本真紀、平田智久、増田まゆみ、山中龍宏等、様々な領域の専門家が務めています(敬称略、アイウエオ順)。

私が担当した番組は、「保育の原理」です。なぜ幼児期の教育方法は遊びなのか、保育者は何を根拠にして保育内容を選ぶのかなど保育の原理原則を再確認する内容です。保育者が自分の言葉で語ることができるように、「はい、ここまでの内容をまとめて二人組で話してみましょう」という、いつもの演習も入っています。何度も相手を変えて練習をしたり、相手役の人が指導主事や保護者に扮して質問や意見を述べるロールプレイを行うやり方もあります。この演習で、自分の主観から一歩離れ、根拠に基づいて話をするトレーニングができます。思い込みを排し、内容をありのままに受け取ってまとめる練習は、子どもの保育や保護者の支援にもいきるでしょう。

保育原理のアップは7月頃だそうです。
画面に出る内容は、配布資料として印刷もできます。ご活用下さい。


自然のものと自然ではないもの2014/06/16

(公財)日本生態系協会から、「こども環境管理士資格試験の案内」が送られてきました。
後援には保育団体がずらりと並んでいます。

ホームページを読んでいると、「自然のもの」と「自然ではないもの」を、きちんと区別しましょうとの一文が。
自然のものとは、
シジュウカラ、ツバメ、アマガエル、ニホントカゲ、アゲハチョウ、アブラゼミ、ヤマザクラ、スギナ、カタバミなど、もともと地域にいるさまざまな野生の生きものを指すそうです。
自然ではないものとは、
チャボ、あひる、いえうさぎやぎ、金魚、ひまわり、チューリップ、稲、さつまいも、桜(ソメイヨシノ)、ウシガエル、アメリカザリガニ、シロツメクサ、レンゲなど、飼育・愛玩動物、園芸種・農作物、外来種は、自然ではないものになるそうです。

なるほどねぇ。生態系の視点から考えると、こういう区別が必要になるのだなあと思いました。
今、運動場のような園庭を、自然豊かな園庭に変えている園が増えていますが、この視点を持っているとよいかもしれません。園庭にビオトープをつくるときには、この自然のもの:自然ではないものの区別が生きるでしょう。しかし、子どもが人間の暮らしを学ぶためには、稲や野菜を育て家畜を飼う経験が必要かもしれません。

自然を人間の暮らしに合わせてつくりかえた里山的な自然で育った私には、自然のものだけの地域環境がうまく想像できません。これらの知識をどのように実践に活かしているのか、ぜひ園に伺って学んできたいと思いました。

公益財団法人 日本生態系協会



私の大好きな景色は、「自然ではない」植栽ばかりです。