議員さんの一日保育士体験2013/10/11


黒目川は、日差しも風も秋の気配。

全国保育研究大会に参加される皆様、そして準備に携わる皆様、大変にお疲れ様です。本日は最終日ですね。
これまで大学の仕事を休めずお断りさせていただくことが多かった大会ですが、今年は「保育の社会化に向けて~保育の営みをいかに社会に発信するか」の分科会に助言者として参加することができました。学びの多い三題の発表でしたが、なかでも北九州市保育士会の発表は圧巻でした。

20年間の研究をまとめた本の発刊。保育所を理解するためのDVDの作成と各園への配布とユーチューブへのアップ、駅前の大型ビジョンを使って保育のCMを流すなど、保育にかける情熱に圧倒されました。
なかでも議員さんや学校の先生、民生児童委員さんなどを招いての一日保育士体験は、何と昭和58年から続けていらっしゃるのだとか。一日体験をした方を集めて振り返りと交流の会も開いているそうです。
保育所での保育士経験がある議員さんは、「国の最低基準以上の人的配置でないと子どもの最善の利益を守れない」、「保育は人が重要」という訴えがあったときにもその意味がありありとわかるでしょう。


八木義雄監修 北九州市保育士会編著「自我の芽生えとかみつき」蒼丘書林、2013
待井和江監修 北九州市保育士会編著「感性を育てる保育実践①~④」ミネルヴァ書房、1999
北九州市保育士会作成の認可保育園のパンフレット

それにしても、議員さんの一日保育士体験のような素晴らしい実践が30年近く続けられてきているというのに、それが全国に知られていないことが本当に惜しい。「各地域・園で保育者が積み上げた貴重な保育実践を保育者の共有財産とする仕組み」を、みんなで考えていく必要があります。


久しぶりに参加した全国保育研究大会でしたが、発表者や参加者の真剣さに触れながら、研究の助言や指導にあたる保育者や研究者は、公立と私立では保育者の労働条件が異なることをふまえて、保育者が実践研究によってバーンアウトすることがないように配慮する必要性についても、改めて感じて帰ってきたのでした。

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