うつぶせ寝での窒息事故 ― 2013/11/29
Y市のファミリー・サポート・センター事業で、5か月の赤ちゃんがうつぶせ寝で亡くなるという痛ましい事故が起きました。親御さんの心中を思うと胸が痛みます。
この事故では、預かった者が「うつぶせ寝の危険を知らなかった」という事前研修内容の不備が問題になっています。子どもを預かる人の知識と能力は、子どもの命を左右します。一時預かり事業やファミリー・サポート・センターの研修でも、保育士の養成でも、子どもの重大事故を防止するための最低限度の知識は、確実に身に着ける仕組みが必要です。
私自身ファミリー・サポート・センターの預かり会員をしたとき、「研修を受ければ誰でも預かることができる」仕組みには泣かされました。その市では集団託児をファミサポが請け負っていましたが、預かり会員には、「もうどこでも仕事ができないから」と託児の時間中ただ座っているだけの高齢の方がいました。赤ちゃんにドーナツを食べさせようとする会員を止めたり、泣いた赤ちゃんを叱りつける会員にも悩まされました。もちろん思いをもって会員になる個人や、質を確保しようとしているファミサポ団体もありました。その経験から一時預かりのボランティアに向けた冊子をつくり、子育て広場をはじめたときには、ボランティアであっても資質と能力を問うようにしていました。
一時預かり事業の研究で「研修では講師に具体的な内容を示すこと」としたのは、初年度の研究で、ファミリー・サポート・センターテキストと、ベビーシッター協会のテキストを比較して、その内容に差異を発見したことがありました。ファミサポのテキストには記述がない事故の種類が多く、命にかかわるアナフィラキシー・ショックや熱中症についても書かれていませんでした。(ファミサポの事前研修ではテキストを使わない場合も多くあります)。保育士養成の「子どもの保健」の教授内容も、事故防止はわずかしか扱われない指導内容となっていますので、テキスト調査を行えば同様の差異が見つかるでしょう。
子どもの命を守るためには、保育士には地域保健活動よりも、集団や個別保育で起きやすい事故防止と対応を、できるだけ時間数を使って教授する仕組みが必要です。ファミサポの事前学習では、一般の家庭で起きやすい事故の防止策や、個別保育で起きやすい事故の防止策を、最優先で教える必要があります。そのためには国の通知内容も重要ですし、子育て支援の担当課に保育に精通した(経験が長いではなく)専門官を置くなどして、研修内容を確保する仕組みを各自治体で考える必要も出てきているでしょう。
「子どもを預かる」仕事に就くときに、知っておくべき事故防止と緊急対応には以下のようなものが考えられます。
(テキスト調査と過去の重大事故からリストアップしました)
・転倒・転落
・衝突
・誤飲
・誤嚥
・窒息
・アレルギー(アナフィラキシーショック)
・揺さぶられ症候群
・やけど
・溺水
・熱中症
・目・耳・鼻の異物
・ひきつけ(けいれん)
・自動車・自転車・三輪車
・屋外遊具による事故
・虫刺症、咬傷
・自然災害(雷・川の増水・園庭屋根の雪・地震・津波など)
・不審者の侵入
小児医療や事故防止の専門家の先生方ですと、これ以外にも入れる必要があると考えるものがあるかもしれません。
保育士養成課程の教授内容に、
「生命にかかわる重大事故の事例と防止」
「集団保育で発生しやすい事故とその防止」
「家庭で起きやすい事故とその防止」
などの項目を入れるだけでも、「子どもの保健」のテキスト内容が変わるように思います。
この事故では、預かった者が「うつぶせ寝の危険を知らなかった」という事前研修内容の不備が問題になっています。子どもを預かる人の知識と能力は、子どもの命を左右します。一時預かり事業やファミリー・サポート・センターの研修でも、保育士の養成でも、子どもの重大事故を防止するための最低限度の知識は、確実に身に着ける仕組みが必要です。
私自身ファミリー・サポート・センターの預かり会員をしたとき、「研修を受ければ誰でも預かることができる」仕組みには泣かされました。その市では集団託児をファミサポが請け負っていましたが、預かり会員には、「もうどこでも仕事ができないから」と託児の時間中ただ座っているだけの高齢の方がいました。赤ちゃんにドーナツを食べさせようとする会員を止めたり、泣いた赤ちゃんを叱りつける会員にも悩まされました。もちろん思いをもって会員になる個人や、質を確保しようとしているファミサポ団体もありました。その経験から一時預かりのボランティアに向けた冊子をつくり、子育て広場をはじめたときには、ボランティアであっても資質と能力を問うようにしていました。
一時預かり事業の研究で「研修では講師に具体的な内容を示すこと」としたのは、初年度の研究で、ファミリー・サポート・センターテキストと、ベビーシッター協会のテキストを比較して、その内容に差異を発見したことがありました。ファミサポのテキストには記述がない事故の種類が多く、命にかかわるアナフィラキシー・ショックや熱中症についても書かれていませんでした。(ファミサポの事前研修ではテキストを使わない場合も多くあります)。保育士養成の「子どもの保健」の教授内容も、事故防止はわずかしか扱われない指導内容となっていますので、テキスト調査を行えば同様の差異が見つかるでしょう。
子どもの命を守るためには、保育士には地域保健活動よりも、集団や個別保育で起きやすい事故防止と対応を、できるだけ時間数を使って教授する仕組みが必要です。ファミサポの事前学習では、一般の家庭で起きやすい事故の防止策や、個別保育で起きやすい事故の防止策を、最優先で教える必要があります。そのためには国の通知内容も重要ですし、子育て支援の担当課に保育に精通した(経験が長いではなく)専門官を置くなどして、研修内容を確保する仕組みを各自治体で考える必要も出てきているでしょう。
「子どもを預かる」仕事に就くときに、知っておくべき事故防止と緊急対応には以下のようなものが考えられます。
(テキスト調査と過去の重大事故からリストアップしました)
・転倒・転落
・衝突
・誤飲
・誤嚥
・窒息
・アレルギー(アナフィラキシーショック)
・揺さぶられ症候群
・やけど
・溺水
・熱中症
・目・耳・鼻の異物
・ひきつけ(けいれん)
・自動車・自転車・三輪車
・屋外遊具による事故
・虫刺症、咬傷
・自然災害(雷・川の増水・園庭屋根の雪・地震・津波など)
・不審者の侵入
小児医療や事故防止の専門家の先生方ですと、これ以外にも入れる必要があると考えるものがあるかもしれません。
保育士養成課程の教授内容に、
「生命にかかわる重大事故の事例と防止」
「集団保育で発生しやすい事故とその防止」
「家庭で起きやすい事故とその防止」
などの項目を入れるだけでも、「子どもの保健」のテキスト内容が変わるように思います。

屋内では、玩具の質と量の選択と空間の構成も、事故防止には重要です。