園に置いておきたい本~遊びの素材と道具 ― 2014/06/09
子どもを遊んであげる先生と、子どもが遊べるように援助をする先生がいるように、玩具にも、子どもを遊んでくれるおもちゃと、子ども自身が遊びをつくりだす素材と道具があります。
子どもは好奇心が強いため、刺激で子どもを引き付けるようなおもちゃにはすぐに飽きてしまいます。
子どもたちが遊びで必要としているものは、想像力や思考力を付け加えて遊びを作りだすことができるシンプルなもの。子どもが草、土、木などの自然物では飽きずに遊ぶのは、自然物は応答性が高く、想像や思考をつけ加える余地があり、可塑性が高くて繰り返しができるために、子ども自身が遊びをひろげることができるからです。
保育室内には土や砂を持ち込むことはできませんが、自然物のような性質をもった遊びの素材と道具を揃えると、子どもは飽きずに遊び込むことができます。
日本の集団保育は、半世紀以上の歴史があります。各園で「どんなおもちゃを準備しよう」と、一から考えるのはもったいない。様々な参考資料を見ながら、他の人の実践と知恵を活用して、より目の前の子どもに合ったものを作ったり選ぶ方が賢明です。

瀧薫、保育とおもちゃ~発達の道すじにそったおもちゃの選び方、エイデル研究所、2011
園と家庭をつなぐ「げんき」編集部、乳児の発達と保育、エイデル研究所、2011
コダーイ芸術教育研究所、ごっこ遊び、明治図書、1992
渡辺幸子、乳児の遊びと遊具、明治図書、2008
東間 掬子、あなたが変える室内遊び、サンパティックカフェ、2004
東間 掬子、あなたが変える庭遊び、サンパティックカフェ、2000
小泉昭男、自然と遊ぼう園庭大改造~命の営みを感じられる園庭に、ひとなる書房、2011
他にもいろいろと手作りの玩具の本も出ていますが、本はあくまでも参考に。
手作りであっても「子どもを遊んでくれるおもちゃ」と、「子どもが遊びを創りだせるおもちゃ」がありますので、選んで作りたいものです。手作りをする場合には、保育室全体の刺激量を考えて色柄と素材を選びたいものです。
コメント
_ 高山静子 ― 2014/06/10 06:41
宮崎先生、コメントをありがとうございます。さっそく「環境構成の理論と実践」と「ひだまり通信」にお目通しいただいたのですね。私自身、保育者のときには「保育の本」を読んで実践を少しずつ変えました。「よいことはかたつむりのように進む」(ガンジー)ではないけれど、少しずつがポイントなのかなと、この年になって気づきました。専門知識という根拠に基づきつつも、おもしろく素敵な保育をつくっていってくださいね。