書店の保育関係の棚2020/11/14

書店が大好きです。でも書店の保育の棚だけは苦手です。

どの書店でも保育のコーナーに立つと、
「ここは昭和か!?」と叫びたくなる私です。
今日も眉間にシワを寄せたまま、書棚の前でしばらく立っていました。
いつものことながら保育の棚では本との出会いがなく、他の分野を探しにいきます。

先日行ったY書店の絵本の書棚は、
選書も並べ方もポップも素晴らしく、このポップはどんな店員さんが書いたのだろうとワクワクしました。
しかし隣の保育のコーナーでは、がっくりと気落ち。
小ジャンル分けのプレートが昭和のままなのです。
いつも書店で感じる、保育界の失われた30年・・・。

Y書店の分類は、
「パネルシアター」「壁面」「ペープサート」「歌遊び・指遊び」
「園行事」「折り紙」「器楽合奏」「造形遊び」「劇遊び」「言葉かけ」
昭和の幼児教育イメージそのものでした。
もちろん環境構成に関する本は売り切れなのか見つかりません。

今日行ったJ書店は、東京駅の二大書店以上に保育書が充実。
全部で17の保育の棚がありました!素晴らしい!
ただ、その分類は、「保育実務」が5棚、「保育一般」が4棚、
「保育理論」「保育フェア」「指導計画」「障害児保育」
「子育て支援」「パネルシアター」「養成教育」です・・・。

本は充実しているのに、ああ分類がもったいない。
私が見ている間、5人のお客さんが棚の前で探していましたが、
皆さん何も買わずに帰っていきました。えっ待って…。

私のようなマニアでない限り、17の棚から本を探すことは無理です。
本が決まっているのなら通販でよいし、きっと本を探しに書店に来たのでしょう・・。
「何かお探しですか、それならこの本はいかがでしょう」と声をかけたい、
いやでもそれは怪しすぎます・・・。

もしも私が書店員だったら、
令和の保育で書棚を分けて他店と差別化。
アンテナが高くよく本を購入する人向けの本と、
困り感で書店に来る人のお役立ち本を中心に棚を構成したい。
季節毎に保育者が必要な本の平積みを替えます。
(またいつもの妄想です)

休日に書店に足を運ぶ
まじめで熱意のある保育者が本と出合えるように
勝手に小ジャンルプレート名を考えてみました。

項目
◇大項目
「小ジャンルプレート名」・・・本のキーワード

◇保育理論と実践
①「環境構成・玩具」・・・環境づくり、環境の構成、保育室、園庭、玩具
②「子どもとの関わり」・・・コーチング、アドラー、敏感期、保育者の関わり
③「計画と記録」・・・教育課程、計画、記録ドキュメンテーション、カリキュラムマネジメント
④「保育理論」・・・遊びと学び、学習理論、モンテッソーリ、シュタイナー、レッジョ・エミリア、イエナプラン、コダーイ、さくら・さくらんぼ
⑤「保育実践」・・・森のようちえん等各園の実践紹介の本、ESD、STEAM、IBプログラム
⑥「乳児保育(012歳の保育)」・・・乳児、012歳、ケア
⑦「幼児教育」・・・要領、指針、主体的、協同的、対話的、プロジェクト、10の姿

◇子どもの把握と理解(障がい児保育が少なければ上記の理論と実践に入れるのも有)
⑧「発達、子どもの理解」・・・発達、脳、子どもの理解
⑨「障がい児・病児保育」・・・発達障害、気になる子、敏感な子ども、ギフテッド、病児保育、感覚統合

◇保育内容5領域と養護
⑩「保育内容健康」・・・運動遊び、柳澤、はう運動遊び、ムーブメント、リズム運動、睡眠、生活リズム、映像メディアの影響、免疫
⑪「保育内容人間関係」・・・ごっこ遊び、劇遊び、集団遊び
⑫「保育内容環境」・・・自然、環境教育、数量・図形、文字、認識、
⑬「保育内容言葉」・・・絵本、素話、詩、手遊び・指遊び、パネルシアター
⑭「保育内容表現(音楽・造形等)」・・・音、音楽、造形、描画、絵、わらべうた、リトミック
⑮「安全・食育」・・・安全・事故、感染、病気、食、栄養、アレルギー

◇保護者の支援・マネジメント
⑯「保護者・地域との連携・支援」・・・子育て支援、相談、お便り、地域連携
⑰「行事・その他」・・・運動会、発表会、造形展・その他
⑱「マネジメント」・・・チーム、職員、評価、苦情解決、マネジメント
⑲「保幼小連携」・・・小学校との連携、

◇保育者養成
⑳「保育者養成テキスト」・・・教科書

太字は保育者の研修ニーズや関心が高いと感じているものです。
あ~このテーマで平積みのテーブルをつくりたい。
今の時期に、保育の棚に免疫や腸内細菌に関する本と
保護者向けお便りの本を一緒に平積みにしたら
売れただろうな~。(妄想がますます暴走)

教育界は古いとか変わらないとか言われることがありますが、
「新しい情報」を得た現場は、着実に変わっています。
保育者は、新しい情報と出会いにくいのです。
昭和の本を読んでいる人が、
新しい時代の教育を行うことは難しいです。

書店は、その地域の文化の発信地。
そこから発信される情報の質が良ければ、
その地域の教育は着実に変わります。

こんなマニアックな内容を最後まで読んでいただきありがとうございます。
私が棚を整理してもいいよという書店さん、いらっしゃいませんか。

コメント

トラックバック