メイヤロフ「ケアの本質」 ― 2011/08/28
ミルトン・メイヤロフ「ケアの本質」ゆみる出版,1987 原著は1971・・・

やっとメイヤロフに出会いました。
「一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成長すること、自己実現することをたすけることである」
「他の人々をケアすることをとおして、他の人びとに役立つことによって、その人は自分の生の真の意味を生きているのである」
「ある人が成長するのを援助することは、少なくともその人が、何かあるもの、また彼以外の誰かをケアできるように援助することにほかならない」
内容を読み進むと、ケアの本質は、私たちが研究した「子育て支援者のコンピテンシー」と似通っています。
いえ、析出したコンピテンシーが哲学者の思索と共通していたというべきですが。
メイヤロフは、「ケアの主な要素」として、知識、リズムを変えること、忍耐、正直、信頼、謙遜、希望、勇気を挙げます。これらは、かつては教育のなかで大切にされ、大人が子どもに伝えてきた価値といえます。最近では、これらの要素が入った絵本を探すことが難しくなりました。
また、メイヤロフの説明するケアの要素は、消費社会では邪魔となるものが多いですね。受身で考えず判断せず、刺激・快楽、競争・優越を好む者が大量消費を支えます。自然や人との関係で喜びをつくりだせれば多くは必要ないですもの。
「一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成長すること、自己実現することをたすけることである」
「他の人々をケアすることをとおして、他の人びとに役立つことによって、その人は自分の生の真の意味を生きているのである」
「ある人が成長するのを援助することは、少なくともその人が、何かあるもの、また彼以外の誰かをケアできるように援助することにほかならない」
内容を読み進むと、ケアの本質は、私たちが研究した「子育て支援者のコンピテンシー」と似通っています。
いえ、析出したコンピテンシーが哲学者の思索と共通していたというべきですが。
メイヤロフは、「ケアの主な要素」として、知識、リズムを変えること、忍耐、正直、信頼、謙遜、希望、勇気を挙げます。これらは、かつては教育のなかで大切にされ、大人が子どもに伝えてきた価値といえます。最近では、これらの要素が入った絵本を探すことが難しくなりました。
また、メイヤロフの説明するケアの要素は、消費社会では邪魔となるものが多いですね。受身で考えず判断せず、刺激・快楽、競争・優越を好む者が大量消費を支えます。自然や人との関係で喜びをつくりだせれば多くは必要ないですもの。
「ケアの本質」は、看護・教育・福祉など対人援助職に共通する価値と、大人が子どもに伝える価値について、考えるヒントを与えてくれます。
それにしても大人の社会にあふれるいじめ、虐待、暴力、人権侵害の言葉の数々。日本の教育は、人を大切にしケアすることができる大人を育てるという点で成功しているとはいえません。幼児教育の場で、短絡的にパンチで解決するヒーローを与えたり、先生が戦いごっこを推奨するのは、そろそろやめにしたいものです。
それにしても大人の社会にあふれるいじめ、虐待、暴力、人権侵害の言葉の数々。日本の教育は、人を大切にしケアすることができる大人を育てるという点で成功しているとはいえません。幼児教育の場で、短絡的にパンチで解決するヒーローを与えたり、先生が戦いごっこを推奨するのは、そろそろやめにしたいものです。