西條剛央さんの人を助けるすんごい仕組み ― 2012/03/01
すごい本がでました。

西條剛央「人を助けるすんごい仕組み ボランティア経験のない僕が日本最大級の支援組織をどうつくったのか」ダイアモンド社、2012
大震災から一年が経とうとしています。恥ずかしいことに、西條先生が3.11以後何をしておられたのか、この本で初めて知りました。震災に関する部分はとてもここに言葉にすることはできませんが、「状況と目的から方法を判断」し、「『いなくなる』ことが目標」だとして、「自己増殖モデルを採用」し、ツイッターやフェイスブックといったインフラを使って、猛烈な勢いで組織が創発していくプロセスが描かれています。そこに通うのは、「ことば」と「強い思い」。
組織の巨大化に伴う苦しみの部分も率直に語られます。
・人間は95%の人が賞賛してくれても5人批判する人がいると、批判する人の意見にフォーカスし、20倍ぐらいの重みづけをしてしまう。
・マネジメントやリーダークラスの人たちが多くのエネルギーをトラブルへの対処や人間関係の調整に注がざるをえなくなり、プロジェクトを前に進めるためのエネルギーは着実に奪われていった。
・お金は怖い、など。
西條先生は、並みはずれた構築力で状況のなかから意味を発見し、それらを名付け、共有できる知として発信していきます。どんな状況のなかでも意味を見出し、互いに伝え合い意味を変えていける、これが人間なんだ、人ってすごい。ああ、何を書いているんだか。でもこの本は興奮なしに書けません。構造構成主義が、研究の域を超え、現実を動かす哲学として世界へ広がっていくイメージが湧いてきました。
それにしても・・・ツイッターやフェイスブックは避けていますが、やっぱりやった方がよいのかな。
クーヨン別冊が図書館に ― 2012/03/05
自然派、ナチュラル派の保護者が愛読する、こだわりの育児本(別冊)が、図書館に入りました。
月刊クーヨンの別冊本、「モンテッソーリの子育て」、「シュタイナーの子育て」、「のびのび子育て」、「ナチュラルな子育て」の4冊です。

月刊クーヨンの別冊本、「モンテッソーリの子育て」、「シュタイナーの子育て」、「のびのび子育て」、「ナチュラルな子育て」の4冊です。

シュタイナーとモンテッソーリといえば、かなり教育内容が異なるように思えますが、どちらも子どもへのまなざしがあたたかく主体性を尊重する教育方法のためか、クーヨン読者層には人気があるようです。
どの情報も人によって違うのは常ですが、育児情報は雑誌によって色があります。クーヨンの場合には手をかけた(ちょっと手をかけすぎた?)子育てのすすめが多いのですが、雑誌によっては、親が便利で快適な子育てをすすめる記事も見かけます。
育児がもしも乳幼児期で終わるのであれば、親がらくちんな子育てをおすすめしたいところです。しかし、親が本来「しなくてはならない苦労」を避けた場合には、先々につけを回すだけ。学童期以降の子育ての方がずっと長いのです。親子を先々苦しめる情報は伝えたくないと思います。
私は育児や保育の情報を読むときには、情報発信者の立場と、価値観を見るようにしています。
どの領域の専門家か、乳児からの発達がわかっているか、
問題が発生した後に対応している人か、予防や育成に携わっている人か、
相談室で保護者を相手にしている人か、保育室で子どもを相手にしている人か、
家庭の24時間育児の大変さがわかる人か、わからない人か、
商品や早期教育や番組の宣伝・開発に関与している人か、そうでない人か、
テーマに関して知識を幅広く持っている人か、わずかしか持っていない人か、
「1」の知識で「1」話す人か、「20」の知識をもって「1」話す人か、
持論にこだわり、好き嫌いで物事を判断する人か、客観的に判断しようとする人か、
何を目的にして話をしている人か。
これから保育者になる学生たちには、育児・保育雑誌を楽しくながめながら、巨視的に情報を見る習慣を身につけてほしいと思います。
大学の図書館は毎日開いているからね。

外へ出るとあちこちで春を見つけることができます。
死を招いた保育 ― 2012/03/09
どんぐり保育園の中道園長先生から御案内をいただきました。
「死を招いた保育」のルポルタージュを書かれた猪熊弘子さんが浜松で講演をされるとのことで行ってきました。
猪熊弘子「死を招いた保育」ひとなる書房 2011
「死を招いた保育」のルポルタージュを書かれた猪熊弘子さんが浜松で講演をされるとのことで行ってきました。
猪熊弘子「死を招いた保育」ひとなる書房 2011

このルポは、上尾保育所で4歳の男の子が本棚の中で見つかり熱中症で死亡した事件をていねいに取材された本です。猪熊さんのお話から、子どもを亡くした母の悲しみが伝わってきて、家に帰ってからも全身が痛くて苦しくて仕方ありません。親にとって、子どもを亡くす以上の悲しみが、この世にあるでしょうか。
北九州市で車に忘れられた子どもが亡くなったとき、ニュースで赤い髪をした若い保育者が土下座をしている姿が映りました。万が一自分が授業をもった学生がこのような事件を起こした場合には、私は保育者の横に並んで土下座をして謝らなくてはならないと思いました。養成機関には、子どもの命を守る保育者を育てる責務があります。
この本を読むと、一人の子どもが、親にとってどれほどかけがえのない存在か、改めて思い知らされます。
保育者にとって読むのがつらく苦しい本。でも、読まなくてはならない本だと思っています。
端的にわかりやすく話をする練習 ― 2012/03/14
私は、人と話をするのが昔からとっても苦手。
そのため、「話し方」に関する本はそーとー読んで練習しているのですが、なかなか上手になりません。
先日、シンポジウムのコメントがとても上手い先生に教えていただいたのが、この本。
そのため、「話し方」に関する本はそーとー読んで練習しているのですが、なかなか上手になりません。
先日、シンポジウムのコメントがとても上手い先生に教えていただいたのが、この本。

斎藤孝「1分で大切なことを伝える技術」PHP新書 図解本も明後日出るらしい。
聡明な人は話が短いっていうけど、なるほど~。短く話をまとめられるには、練習が大事なのね。よしっ。
4月からの授業では、講義を1分でまとめて話す練習時間をつくろう!とまずは学生に練習してもらうことにしました。
講義のパワーポイントに、「一分説明タイム」を入れたので、学生のみんな、楽しみにね。
(「えーっ」といわない、いわない)
保育者って、会議や保護者との連絡など、短くまとめて話さないといけないことが多いから、これいいですね。
それから、話の筋を組み立てる練習の本は、次の一冊。
聡明な人は話が短いっていうけど、なるほど~。短く話をまとめられるには、練習が大事なのね。よしっ。
4月からの授業では、講義を1分でまとめて話す練習時間をつくろう!とまずは学生に練習してもらうことにしました。
講義のパワーポイントに、「一分説明タイム」を入れたので、学生のみんな、楽しみにね。
(「えーっ」といわない、いわない)
保育者って、会議や保護者との連絡など、短くまとめて話さないといけないことが多いから、これいいですね。
それから、話の筋を組み立てる練習の本は、次の一冊。

安田正「ロジカル・コミュニケーション」日本実業出版社、2007
うまく話せない事例は大人で、説明はカナダの中学校の教科書と似ているのが悲しい。日本でも論理的な思考と話し方は、中学校で学びたいですね。
来週の月曜日は、いよいよ、卒業式。。。(しみじみ)
自宅に、ビッグイシューやら、保育雑誌やら、高山の本が残っている人は、返却してから卒業してね。
うまく話せない事例は大人で、説明はカナダの中学校の教科書と似ているのが悲しい。日本でも論理的な思考と話し方は、中学校で学びたいですね。
来週の月曜日は、いよいよ、卒業式。。。(しみじみ)
自宅に、ビッグイシューやら、保育雑誌やら、高山の本が残っている人は、返却してから卒業してね。
日本子ども家庭福祉学会リレーエッセー ― 2012/03/18

子ども家庭福祉学会は、私を育てていただいた学会といっても過言ではありません。社会福祉の専門職としても、幼児教育の専門家としても、どっちつかずの「保育士」。福祉も教育も、といえば聞こえはいいけれど、福祉にも教育にも入ることができない中途半端な立場に悩んでいたときに出会ったのが「子ども家庭福祉」という言葉でした。
学会では、発表の仕方や相手を尊重した誠実な質問の仕方など、先生方のふるまいから研究者としての姿勢をゼロから学ばせていただきました。
今年の全国大会は、2012年6月2日(土) ~ 3日(日) 会場は大阪府立大学。
大会のテーマは、なんと、『教育と福祉のコラボレーション』 パチパチパチ(拍手)
公開シンポジウムでは、山野則子先生がコーディネイターで、
一見真理子先生、「OECD等の国際動向から」
金澤ますみ先生 「スクールソーシャルワークの観点から」
吉田敦彦 「オルタナティブ教育の観点から」
何とぜいたくなメンバーでしょう。
今年の大会が今から楽しみです。

思いがけないプレゼントに癒されました。ありがとうございます。
子コミくらぶからここみ広場へ ― 2012/03/23
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございました。
卒業式では、保育ボランティアグループ、子コミくらぶの代表として、Oさんが表彰を受けました。
副賞に受け取った三千円の図書券は、ここみ広場に寄付することに総意として決めたそうです。最後まで立派。
卒業式では、保育ボランティアグループ、子コミくらぶの代表として、Oさんが表彰を受けました。
副賞に受け取った三千円の図書券は、ここみ広場に寄付することに総意として決めたそうです。最後まで立派。

広場廊下の掲示板にお礼の言葉が貼られています。広場の皆様ありがとうございます。

広場の中をのぞくと、小学生ボランティアも一緒にひろばの準備中でした。
今日は、春のあたたかな雨が降り、桜のつぼみが見る見るふくらみました。今年は、新入生たちを満開の桜で迎えられそうです。
今日は、春のあたたかな雨が降り、桜のつぼみが見る見るふくらみました。今年は、新入生たちを満開の桜で迎えられそうです。
保育教育者と保育者の研修 ― 2012/03/26
保育者向け研修会に申込みするときはちょっと心苦しい。すみませんが私も入れていただけますかって感じ。
でも、保育教育者(保育者を養成する教員)だって、学びは必要なのです。不易の理論もあるけれど、古い保育実践や経験を元に、学生に授業をするわけにはいかないので、研修会にも参加して、現場の先生方についていかねば、と思います。
このブログは意外にも、大学の先生もよく見ていることがわかってきました。先日ある研究者に「高山さんはどんな研修に参加しているんですか?」と聞かれたので、「メーリスに書き込むね」と答えましたが、やはりブログに書きますね。(なんで?)各種メソッドは授業で使う場合には許可がいります。ほかにさくらんぼリズムやオイリュトミー、野口体操も体験してみました。
ピラミッドメソッド
http://www.play-dev.jp/
プロジェクト学習、テーマ保育などさまざまな呼び方があります。テーマのある保育を体験的に学習できます。
コダーイ芸術教育研究所
http://www.h5.dion.ne.jp/~kodaly/
乳児保育、わらべうた等、各地で研修が行われています。清潔に話す、清潔にうたうということが私は最後まで獲得できませんでした。。。
モンテッソーリ教育実践研修室
http://sainou.or.jp/montessori/
短期間で誰でも受講可能なコースがあります。子どもへの具体的な指導方法を学ぶために参加しました。
発達協会
http://www.hattatsu.or.jp/
発達障がいを理解する一日、二日間のコースが豊富。理論と実践の両方が講座に組み込まれています。
ERIC国際理解教育センター
http://eric-net.org/
参加型学習の方法やファシリテートの方法はここで学びました。講演をしていたときに一方的な講義ではダメだと思い、ここで学び、ワークショップ中心に変えましたが、その後ワークショップだけでもダメだと気づき、内容によってワークと講義を混ぜるようになりました。養成校の教員にお勧めです。
どの団体も、わかりやすいテキストを出版しています。
でも、保育教育者(保育者を養成する教員)だって、学びは必要なのです。不易の理論もあるけれど、古い保育実践や経験を元に、学生に授業をするわけにはいかないので、研修会にも参加して、現場の先生方についていかねば、と思います。
このブログは意外にも、大学の先生もよく見ていることがわかってきました。先日ある研究者に「高山さんはどんな研修に参加しているんですか?」と聞かれたので、「メーリスに書き込むね」と答えましたが、やはりブログに書きますね。(なんで?)各種メソッドは授業で使う場合には許可がいります。ほかにさくらんぼリズムやオイリュトミー、野口体操も体験してみました。
ピラミッドメソッド
http://www.play-dev.jp/
プロジェクト学習、テーマ保育などさまざまな呼び方があります。テーマのある保育を体験的に学習できます。
コダーイ芸術教育研究所
http://www.h5.dion.ne.jp/~kodaly/
乳児保育、わらべうた等、各地で研修が行われています。清潔に話す、清潔にうたうということが私は最後まで獲得できませんでした。。。
モンテッソーリ教育実践研修室
http://sainou.or.jp/montessori/
短期間で誰でも受講可能なコースがあります。子どもへの具体的な指導方法を学ぶために参加しました。
発達協会
http://www.hattatsu.or.jp/
発達障がいを理解する一日、二日間のコースが豊富。理論と実践の両方が講座に組み込まれています。
ERIC国際理解教育センター
http://eric-net.org/
参加型学習の方法やファシリテートの方法はここで学びました。講演をしていたときに一方的な講義ではダメだと思い、ここで学び、ワークショップ中心に変えましたが、その後ワークショップだけでもダメだと気づき、内容によってワークと講義を混ぜるようになりました。養成校の教員にお勧めです。
どの団体も、わかりやすいテキストを出版しています。

大学の桜、つぼみがふくらんできました。