基礎ゼミで岩波ブックレット2013/12/10

今年は基礎ゼミにあたる「子ども支援学演習Ⅰ」(33人)を担当しました。基礎ゼミを持つのは初めて。保育を行う上で基盤となる論理的・相対的な情報収集・思考と表現、コミュニケーション力を高める場にと思いましたが、30回の授業は試行錯誤で、学生たちには申し訳なかったと後悔しきりです。

子ども支援の第一段階として、子どもが育つ環境としての地域・家庭の理解を挙げ、グループで地域のフィールドワークを行ったり、自分が住む地域の支援の現状を調べたり、文献にあたったりしました。
しかし、その子育ての問題が発生する要因である貧困や、環境汚染や、消費文化の問題など、社会問題を扱う時間が取れず、出す課題の量にも限界を感じていました。福祉・教育のありようを考えるには、現実に社会で起きている問題を理解することからしか始まらない…。でも、悩み続けていると、ある朝(あるいは夜中に)、突然アイディアがパッとひらめくのが常です。
「そうだ!岩波ブックレットがある!」

薄くて、わかりやすい文章。一つのブックレットに一つの社会の課題が示されています。学校の行きかえりに読むのにもちょうどいい量です。さっそく課題を出してみました。終わって図書館へ行くと一年生が本を選んでいます。「どれもこれもおもしろそうで迷う」と、彼女たちの手には数冊のブックレットが抱えられていました。いいかも。
私は農薬汚染のブックレットを借りに行ったのですが見つからず、代わりに2冊借りてみました。

岩波書店 岩波ブックレット
安田睦彦「お墓がないと死ねませんか」岩波書店,1992
角田和彦「劇症型アレルギー」岩波書店,1998

子ども支援学演習Ⅰでは、虐待等、子育てで起きている問題は、母親や個別の家族の問題というよりも社会全体の問題であること。子育ての課題は、私たち一人ひとりの価値観や暮らし方の課題であること。一人でもできることがああること。私たちはみんなつながっていて、ほんのちょっとの優しさと勇気で誰かを幸せにすることができること。そんな気づきが得られればと思います。基礎ゼミの最後では、「教養がある人」の行動や暮らし方のイメージについて、学生たちに話を聞いてみたい。

西日本新聞社の食に関するブックレット「食卓の向こう側」シリーズも、図書館にリクエストしました。(朝霞図書館では、ブックレットや文庫の棚ではなく、食品や栄養の書棚に所蔵されています)「ペットボトル症候群」や「フェイク(もどき)食品」など、身近な食の問題が取り上げられています。O‐157や発ガン性物質が、食べ物をよく噛むことで毒性が低下する話など、興味深い取材記事もありました。

私の場合、食に関する問題を読むと、しばらくは粗食・小食になるので、ダイエットにピッタリです。

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