保育実習室閲覧用写真2014/10/28

乳幼児期の保育(養護と教育)は、「環境を通して」行います。環境を通して行う保育は、子どもが体を通して学ぶことを助け、個別的で違いを尊重した学びを保障し、子ども自身の環境に働きかける力や継続する力を育む、実に学習心理学の研究成果に則った教育方法です。

この夏、学習心理学の本を読んでいると、ついつい学生の体験を通した学び→保育実習室の充実が頭に浮かび、消耗品や備品を選んだり保育園の写真フォルダからテーマ別に写真をコツコツと移動をしたりと、研究をそっちのけで時間を大量に使ってしまいました。造形表現に関する写真を集めたら140枚も!担当する授業で、学生に見せることができる写真はごくごくわずか。どうすれば学生が自然に多様な環境を学べるのだろうと悩み・・・、その結果完成したのがこれ。保育園でよく見かける写真のラミネートを真似してみました。








造形表現、ごっこ遊び、絵本、運動遊び、机上遊び、積木遊び、乳児クラス、人的環境などの写真を並べてみました。(一部は、A5の印刷を頼んだつもりがA6に、忙しいとこういうことをやります。とほほ)

今各大学では、主体的な学習を促進するラーニング・コモンズの設置が盛んです。その多くは図書館に設置されます。しかし机と椅子、パソコンとプロジェクターが置かれたスペースで、調べ表現し交流できる知は、言葉や図式などで表現できる知が中心です。

マルチ能力理論では、人間には、運動、絵画や造形、歌や音楽など、多様な能力があると考えられています。
保育者は、マルチな能力発揮が必要な職業ですから、保育者の能力はパソコンや言語では十分に発揮と交流ができません。そのため、実践型ラーニング・コモンズとか、マルチプルラーニング・コモンズとでも呼ぶべき空間が必要になると考えています。とくに今私が所属する学部には環境デザインや介護、スポーツなどを学ぶ学生たちがいます。多様な能力をもった学生たちが交流するクリエイティブな空間ができればと、妄想が止まりません。

保育者養成では、まだ保育実習室は必置ではありません。遊びを中心的な教育方法とする幼児教育では、保育者は意図をもって環境を構成しなければならないことが「保育所保育指針」にも「幼稚園教育要領」にも示されています。環境を構成する技術を机上で獲得することは困難です。主体的な遊びのなかで子どもたちが気づき考え学びを得る質の高い幼児教育を支えるためには、養成課程には保育実習室の設置が必要であると考えています。





園庭と保育室の環境に関連するカタログも、保育実習室に置いてみました。素敵な表紙を台無しにしてしまってすみません。(心を亡くしている証拠です・・・再び反省)

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