赤ちゃんとのやりとりを増やすしかけづくり ― 2018/06/03
今、園のあちこちに、スマホの置き忘れがあると聞きました。
子どもの送り迎えの時間にも、親は、スマホを手に持っているそうです。
退勤しても、メールで仕事が追いかけてきているのかもしれません。
子育て中でも、SNSやゲームに、はまってしまった人もいるでしょう。
親がスマホに気持ちをとられている状況は、
親との関わりを求め、
それによって脳をつくり、コミュニケーションを学ぶ
乳幼児期の子どもには、よいこととはいえません。
家庭で、親に気持ちを向けてもらえない子どもが増えると、
集団の保育は、崩壊に向かいます。
親に心を向けてもらうことが少ない子どもは、情緒が不安定になります。愛情を求めて保育者を独占しようとする子が増えると、
さまざまな活動が難しくなります。
子どもの情緒が著しく不安定であると、保育者は疲弊します。
では、保育者として何をするか、何ができるか。
保護者に直接、
「朝は、スマホをカバンに入れて、子どもに心を向けてください」とか、
「お迎えのときは、子どもの目を見て、「ただいま」と抱きしめてください」とか、
「〇〇ちゃんは親御さんとの関わりを求めています。もっと関わってください」とか言うと、
トラブルになりかねません。
園見学や、入園を決定する前の説明の際に、
保護者に、保育者と子どもの対数を説明し、園では行き届かない部分もあること。
子どもは、親を最も愛し、親の関わりを求めていることを伝え、
朝夕の数時間だけは、テレビを消し、スマホから目を離し
子どもに目と心を向けてほしいことを
お話ししておくことが必要であると思います。
また入園後も、保護者が関わりたくなるようなしかけをつくります。

保護者を迎える玄関や、保護者の通り道に、保護者向けの本を置いている園は多いと思います。
写真はまちの保育園六本木。
こちらに、こんな本を置いてみてはどうでしょうか。

「赤ちゃんの脳をつくる親と保育者の話しかけ」と、朝夕目にするだけで、
つい子どもに話しかけたくなるのではないでしょうか。
子どもを健やかに育てたいという気持ちは、どの親ももっています。

帯を外しても、視線を集める効果があるかもしれません。

保育園を、「ただ子どもを預かってくれるだけ」と思って
園に預けた保護者は、
保育者が読む本の質に、きっと驚くでしょう。
どんな情報を目にしているか、
どんな人と接しているか、どんな場にいるかによって、
人は行動が変わります。
これも、環境を通して行う保護者支援の一つと考えられます。
親に心を向けられ、あたたかな言葉をかけられる子どもが増えますように。