たつのこたろうのお母さん2011/05/21

たつのこたろうのお母さんは魚(いわなだっけ?)を、掟を破って多く食べてしまった罰で龍になってしまいます。初めて「たつのこたろう」を読んだとき、(たったそれだけで・・・)と、そのストーリーに強い衝撃を受けました。外食するとついデザートも食べたいと思う私なんか、どれだけ罰を受けないといけないことでしょう。

昔話のなかには、欲深さを戒めるお話が多くあります。

「はなさかじいさん」では、慎み深いおじいさんは小さなつづらを選び、強欲なおじいさんは大きなつづらを選びます。欲の深いおじいさんは、結局何も手に入れることができず不幸になります。
昔話では、たいてい働き者で、慎み深くて、思いやりがあり、頑張った人が幸せになれるのです。

マイケル・サンデルの「これからの『正義』の話をしよう(JUSTICE What's Right Thing to Do)」を読んでいて、ふと日本からいつの間にか「強欲」という言葉が消えてしまったなあ・・・と気づきました。

消費することはいいこと、富を集めることはいいこと、大きいことはいいこと、新しいことはいいこと・・・節度とか、慎み深さとか、我慢とか、子どもたちが学ぶ機会は、とても減っているのかも。高等教育を受けても、教養ある生き方を獲得できる人はごく少数かもしれません。幼児教育にも、快楽を追求する番組や営利目的の消費文化が入り込みがちです。保育園や幼稚園は教育を目的とした施設ですから、他とは一線を画した文化を提供したいものです。

浜岡原発が止まることになりました。この夏は喜んで節電しようと思います。最近緩みすぎていました。私は、自分が楽をするためにエネルギーを使うのはイヤだと、ずっと冷房なし、温水器も使わず、若い時期を過ごしてきました。大丈夫。またその生活に戻ります。ついでに、あの若く、純粋だった頃の心に戻りたいと思います。



布橋図書館の今月のお薦め絵本コーナーには、毎月昔話をいくつか置いています。

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