研修の環境構成2016/07/17

仕事柄、ホテルに泊まっても、お店でご飯を食べていても、気になるのが環境構成。
ホテルでゆったりと朝食、なんてときにも、
「ここの動線を変えると人の流れが変わるなあ・・・」、
「あそこは並びなさいというアフォーダンスだな」
なんてブツブツ思い、くつろげません。(人のことはよくわかる、悪い癖です)

最近、写真を撮り始めたのが、研修会場の環境構成です。
職務から離れた集合研修は、翌日からの学びと保育の質向上のきっかけ。
全員が目を通すであろう研修案内の内容が、すでに研修です。
研修受講者への思いをもって運営されている研修会は、
入口の案内、イスの距離や向き、演台の位置、空調や照明など環境の構成に気を配っています。
保育室に保育者の思いが現れるように、研修会場にも運営者の思いが現れます。

ある市では、運営を担当する方が無認可の園にも案内を配り、
当日は、参考資料とともに
先生方の手作り玩具が会場にずらりと並べられていて、
(地域全体の保育の質を高めていこう)という責任感の強さに感動しました。
休憩時間には、それらの写真を撮る先生方が多くいらっしゃいました。
(私は写真を撮り損ねました。開始前に撮っておけばよかった・・・)
来場者への心遣いにあふれる研修運営にふれると、会場を後にしてからも感動が心に残ります。

ロビーのウエルカムボード。大分のこどものとも社さんの研修会です。


種類別に並べた玩具やごっこ遊びのコーナー、保育環境の写真の展示もありました。


保育環境を改善するために必要な資料を並べていただいています。

研修は、翌日からの保育を変えるきっかけです
研修講師にできることは、専門職として専門性を自ら高める、そのお手伝いにすぎません。
そのため、研修で新しい人、新しい参考資料と出合うことが欠かせません。
研修内容に関連する参考資料は、研修会場で参加者が手に取って選び、持ち帰れるようにしたいものです。

様々な園の先生方が出合い交流するつながりをつくる工夫は、日本保育協会さんの研修会が参考になります。
300人や500人の研修会であっても、講師には演習を必ず入れるように依頼があります。
司会の方が、講義開始前にお互いの自己紹介を促して、場をあたためてくれることもありがたい。
研修で人がつながりあい、お互いに高め合うことを大切にした運営を行っておられます。

私も、自分が講演会を運営するときには、本屋では目にしにくい参考資料を会場に並べました。写真は16年前。
 保護者向けの「子育てが楽しいまちってどんなまち?」講座で、会場に情報を展示しています。


「私たちひとりひとりにできること」を参加者にポストイットに記入してもらい、報告書を作成し関係各所へ配布しました。

研修会の主役は、参加者。
運営者と講師は、参加者のエンパワメントをめざして講座をつくります。
保育者が、子どもと保護者のエンパワメントをめざしていることとも似ています。 

研修内容は、翌日からの保育の質を高める内容と方法を考えます。
保育で、絵本や新しい活動を提供する際には、
子ども自身の経験と、翌日からの遊びへの影響を考えることと同じです。

研修参加者への思いを、研修運営として展開する先生方は、
きっと子どもの保育でも、同じように思いを形にしていらっしゃるのだろうと想像します。

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