玩具と関わりの質2016/03/01

フルスピードで自転車操業を続けていたら、転んで骨折しちゃいました。さすがに反省中です。
掛札逸美先生のブログで、電気仕掛けのおもちゃ(光や音楽や言葉が出る)で遊ぶ時は、従来のおもちゃ(木のパズルやブロック)や本で遊ぶ時に比べて、親子の会話の量と質が落ちるという研究が紹介されていました。

現場にいらっしゃる先生方は、遊びの素材や道具によって関わりの質と量が異なることを体験的にご存知だと思います。これらを言語化して共有化できるとよいですね。

遊びの素材と道具(自然物、素材、廃材、玩具等)選びによって変わると考えられるもの
・遊びへの集中度
・遊びの継続性とひろがり
・友だちとの関わりの質と量
・大人(保護者・保育者)とのやりとりの質と量
・トラブルの発生頻度、けがの重症度
・維持管理にかける時間、コスト
・空間全体の雰囲気
・経験と学習
・感性
思いつくものを書き出してみると、けっこうありますね。

玩具には、個人で活動に没頭しやすいものと、友達との関わりが生じやすいものがあります。
「個人で没頭しすぎるので使う場と時間に悩む」と、先生方に伺うのがラキュー。逆に没頭しやすいタイプの子どもが好きな玩具とも言えます。昔ならば昆虫採集に、はまるタイプの子どもかも。

光保育園にて。

ある先生から、夕方の早い時間の異年齢保育では、友達との関わりが生じやすいものを選び、遅い時間は個人で遊ぶ玩具を準備していると聞きました。
先生方の工夫には、いつも驚かされるばかりです。

コメント

_ 高山静子 ― 2016/07/18 07:18

S先生、「個人で活動に没頭しやすいものと、友達との関わりが生じやすいもの」へのご質問。ありがとうございます。前者は、平行遊びまでの子どもが一人でも遊びやすい玩具、後者はその後に生じる遊びのための玩具と、子どもの発達の姿から考えると分かりやすいかと思います。

たとえば見立て、つもりは一人の行為ですが、ごっこは人との関わりが生じます。人形であれば〇ルトラマンなどのキャラクター人形は、一人の世界の空想遊びが生じやすくなりますが、想像を付け加えやすい人形は、一人遊びにも、友達とごっこ遊びを仲介する赤ちゃんにも使われやすくなります。

操作遊び、たとえばパズルなどは、玩具が遊びを指示しているため想像力をまだ持てていない子どもも遊べますし一人で没頭しやすい遊びです。編み物は一人で行いますが、あやとりですと二人で行った方が楽しくなります。

構成遊びの素材は、大きさが関係します。小さいと個人の遊びになりやすいと思います。たとえばラキューは小さいために協同できません。大型積木を準備すると友達と力を合わせないと運べないし、組み立てられないので協同が自然に生じます。
描画や工作も小さい作品は個人になり、大きい作品は協同が生じます。

また友達がいないと遊べない遊びもあります。ごっこ遊び、おにごっこ、集団ゲーム、ルールのある机上ゲームなど。

発達と遊びを体系的に理解し、遊びと素材をリンクして理解できると、保育者は教材選択力がグンとアップすると思います。

並行遊びまでの大人との関わりが生じやすい玩具は、説明が複雑なのでまた今度説明に挑戦させて下さい。

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