子どものための駅ナカ施設2018/04/17

最近、駅、空港などの公共施設内に、子どものためのスペースの充実が図られています。

大人は座りたい人たちですから、カフェが休憩や居場所になりますが、
動きたい赤ちゃんや幼児は、まちなかの居場所が、なかなか見つかりません。

乳幼児は動き回ることによって脳のシステム(心と体)をつくる時期です。
長時間体を動かすことができないと、泣いてぐずり、ときに叫びます。

とくに駅や空港など、長時間じっとする乗り物に乗る前には
体をうんと動かせる場があると、子どもも大人も本当に助かります。
乗り物にのったとたんに赤ちゃんが「ことり」と寝ると、親もうれしいですね。

空港は比較的歩かせる場所がありますが、
駅には、人に迷惑をかけずに体を動かす場がなく、
待つ時間、子どもと一緒に階段を登ったり降りたりするぐらいしかありません。

ところが、博多駅、軽井沢駅で、こんな駅ナカ施設を見つけました。

しなの鉄道 軽井沢駅から入場料を払って入ると・・・
しなの鉄道軽井沢駅

駅のホームに子どもの遊び場が。
右側が電車が入るホームです。

ブランコにのったり、電車に乗ったりする場もあります。

ハイハイやねんねの赤ちゃんがすごせるスペースもあります。
森の小リスキッズステーションという駅ナカ施設だそうです。
しなの鉄道、すばらしい!

設計は、あの豪華列車「ななつ星」などの設計に携わった水戸岡鋭治さんだそうです。
こちらは博多駅。同じ設計者です。

博多駅駅ナカ施設ちゃちゃくらぶ
ここなら、列車を待つまでの間、赤ちゃんを下ろして遊ばせることができますね。
ここへの入場には、駅への入場料プラスわずかな入場料がかかります。
JR博多シティの施設です。


次は、どこにできるのでしょうか。楽しみです。

3000万語の格差2018/04/28


ダナ・サスキンド3000万語の格差:赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』
翻訳 掛札逸美 明石書店 2018(のチラシ)
             

人生ではじめて、解説、というものを書いてみました。

いつも掛札先生の「保育の安全研究・教育センター」の

ホームページを読んでいたのですが、

http://daycaresafety.org/

あるとき、たまたま掛札先生と近くの席に座り、

「いつも読んでます」と挨拶に行ったことがきっかけで、

この翻訳本が生まれました。編集は、明石書店の深澤さんです。

 

この本には、012歳の子どもが大人と豊かな会話を交わすことの重要性と

その時期の関わりを豊かにする方法が、

臨床、研究を織り交ぜて書かれています。

 

「3000万語の格差」は、

3歳の終わりまでに、家庭によって

保護者が子どもと話す言葉にはこんなに差があるんだよ、

という「家庭による言葉の格差」を象徴する言葉です。

 

本のなかに、子どもとたくさん話をした親が、

「今日も私は子どもの脳を育てたわ」話すシーンがあります。

「親の話しかけが赤ちゃんの脳をつくる」ことを知れば、

みんなこぞって赤ちゃんに話しかけるのではないかしらと思います。

でも、子どもにただ一方的に話しかけたり、

テレビを見せたりCDを聞かせたりと

言葉のシャワーを浴びせても、効果は薄い

大人が、子どもの心と体に注意を向け

子どもが関心をもっていることに対して

応答的に、バラエティに富んだ言葉(豊富な語彙)で

あたたかく肯定的な内容を話すことが大事である

とポイントや具体例が示されています。

            

今回、はじめて掛札先生と一緒に仕事をさせていただいて、

そのスピード感に圧倒され、仕事の緻密さに本当に驚きました。

掛札先生は、この本の参照文献等のリンクを貼ったウェブサイトも公開されるそうです。

http://www.kodomoinfo.org/

本は、Amazonで予約受付中。