保育における養護を理解するワークブック2011/10/04

先日、突然思い立ってながかみ保育園の夜の研修会に参加させていただきました。終了後、一緒に参加した徳永さんから鋭い一言が・・・「高山先生お忙しいんですか」・・・。忙しくなると仕事から逃げる私の癖、ばれてました・・・。


昨年度、こども未来財団の委託で研究を行った保育士の養護技術に関する研究(日本保育協会の今井豊彦さん、元三鷹駅前保育園園長岩井久美子先生、千葉県清水保育園園長圓藤弘典先生との共同研究)を行いましたが、その研究成果のエッセンスをまとめた 「保育における養護を理解するワークブック」を、やっと印刷いたしました。

原稿を校正したのはかれこれ半年前のことでした・・・。今井さんから、「ところで高山さん、あれ、いつできるの?」と聞かれ、「きゃ~~、どこかにある~~っ」と探したところ、未処理ファイルの山のなかから、校正原稿が発見されたのでした。赤ペンの入った原稿が半年も埋もれておりました。ごめんなさい。


A4サイズオールカラー全60ページ。ワークブックといっても、先に発行した「教育機能ワークブック」のように、書き込むところがあるわけではありません。この冊子を素材として、その園らしい実践を見つけるワークを行っていただければとの思いを込めています。
また「保育所における」ではなく、「保育における」としたのは、保育所が蓄積してきたケアの実践知を、幼稚園や認定こども園でもいかせるのではないかと考えたから。認定こども園ではとくに、「満3歳以上児の子どもについては集中して遊ぶ場と家庭的な雰囲気のなかでくつろぐ場との適切な調和等の工夫を行うこと」と定められています。この後者の部分のヒントになればと思いました。

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  保育における養護を理解するワークブック 目次

    1.保育における養護機能
    2.「保育所保育指針」に示される「養護」
    3.環境構成による養護技術
    4.観察・ヒアリング結果からの養護に関するまとめ
    5.養護のねらいのための具体的な保育のヒント集
    6.色彩の専門家へのインタビュー~色彩工学の視点から
    
    資料集1)子どもの生活習慣獲得のステージ表
    資料集2)旧「保育所保育指針」
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養護技術の研究報告書は、情緒の安定を促す環境構成や保育のヒント、保育環境における色の考え方など、先生方から「おもしろい」、「考えさせられる」と感想をいただきました。今回作成した冊子は、カラー印刷のため、白黒の報告書よりもぐんとわかりやすい内容になっているかと思います。とくに色彩分析の専門家である宮内博実先生が保育環境と色について語ったインタビュー内容は必見です。

印刷費と送料を御負担くださる先生方に、この冊子をお送りいたします。(おひとり4冊まで。一冊1250円です)
ご希望の方は、メールに①郵便番号、②住所、③氏名、④冊数、⑤ご所属をご記入の上、以下のメールまでお送りください。おって冊子と振込先を書いた請求書をお送りいたします。なお、休日にまとめて発送しますので、発送までお時間がかかりますことをお許しください。また、研修会等でお会いできる場合には、「〇月〇日に何冊持ってきてください」と、御連絡下さいませ。

*冊子の配布は在庫がなくなってしまい、2013年1月現在は行っておりません。
PDFファイルでのアップまたは増刷を検討中ですので少々お待ちくださいませ。

てっちゃん気分で2011/10/11

今日はゼミのみんなで、卒論研究を兼ねた園での学習会。
行き先は、遠州森町のときわ保育園さんです。

掛川から天浜線に乗りました。わーいわーい。

電車の運転手さんはサービス満点です。駅でおばあちゃんと電車を見に来ている小さな子どもに手を振り、幼稚園の横を通るときには園児たちに警笛で応えます。その運転手さんの後ろで、リュックサックを背負ってカメラを構える私。天浜線さいこー。乗るだけでウキウキします。(ちなみに私は鉄子ではありませんので)


          ときわ保育園さんへ到着。コスモスと子どもたちの作品に出迎えていただきました。


                  多様な素材と道具と作品。年長クラスのお部屋です。

                 卒論研究、就職も目前、真剣さが増しています。2歳児のお部屋です。

                  園長先生が説明を始めると一斉にメモ。

                 子どもたちのじゃまにならないように観察・・・ちょっと怪しい、かも。

「子どもには幼稚なものではなく本物を」、「ちいちいぱっぱのお楽しみではなく文化を」と、繰り返し講義をするよりも、文化を大切にしている園でその雰囲気にふれるほうが、学びは大きいですね。

各クラスの先生方の意図的な環境構成と細やかな配慮、そして園長先生の不断の努力が伝わってきた見学でした。山本園長先生、ときわ保育園の先生方、大変にありがとうございました。
                        

浜松駅でお弁当を買うなら2011/10/21

浜松でお弁当といったら、「うなぎ弁当とビール」が浮かぶかと思いますが、浜松には、うなぎのほかに、女子にうれしい自然派惣菜のお店、知久屋さんがあります。時間がない日は知久屋さんの420円のお弁当を買って新幹線に飛び乗ります。

たっぷりの野菜のおかずにイカフライか大葉をはさんだササミフライが入った黒米弁当はとくにお気に入り。一つひとつのおかずがおいしくて、幸せな気分になれます。

                 この日は特別にイカフライを別買いしてみました。(あっ、ごはんとおかずの位置が・・・)

知久屋の社長さんはお子さんのアレルギーをきっかけに、添加物が入らない安全な食品に関心をもつようになったのだと地元の方に伺いました。う~んやはり、いい仕事をする人は「動因」が違いますね。それにしても、野菜たっぷりの安心して食べられるお弁当を買えるなんて、とてもありがたく、ぜいたくな話です。

知久屋さんのお弁当は、浜松駅みどりの窓口横の細い通路を入ったところで買えます。


ちなみに、私の第二のふるさと博多駅では、「葡萄の樹」(イムズビルの系列店)がお気に入りです。やはり幸せな気分になれる優しい甘さのプリンや、一人で食べてはいけない大きさのポテトチップスがあります。


柳沢運動プログラム2011/10/27

学生のみんな、スポーツデーお疲れ様。

今回はDVD「生きる力を育む幼児のための『柳沢運動プログラム』」(オフィスエム)の紹介です。

生きる力を育む柳沢運動プログラム

最近、保育園や幼稚園で、不器用な子どもが増えた、自分の体をうまくコントロールできない子どもがいるという話を伺います。赤ちゃんのときからメディア漬けでじっとしている機会が多く、幼稚園から帰っても外で遊ぶ場所がないとなれば、不器用な子どもが増えることは当然です。先生方は、子どもたちの運動不足の状況を補うことに苦心していらっしゃることと思います。

この基本編では、跳び箱と、なわとびの二つを例にとり、たとえば跳び箱を跳ぶには、そこまでにどのような力が育っていることが必要なのか、運動を小さなステップに分け実際の園での指導場面と合わせて説明していきます。

イヌさん歩き
クマさん歩き
片足クマさん
両手つき片足クマさん
片足クマさんから側転へ
くもの巣でクマさん
カエルさん跳び
開脚跳び越し

といった具合です。
(それにしても、柳沢先生のクマさん歩きは高速すぎる!)

小学校の頃、「がんばればできる!」「練習すればできる!」という精神論で教育を受けた人も多いかと思います。
跳び箱に限らず、「対話をする」「字を書く」など一つ一つの行為に下位スキルがあります。それらをていねいに獲得できる幼児教育をつくりたいものですね。

支持力にはパーの動きが大事(手の平をぺったりとつけたハイハイ)」「練習しないと二箇所以上の筋肉を動かすことができない」など、乳児の発達と照らし合わせながらこのビデオを見ると、(ああ、このハイハイが跳び箱を跳ぶときの腕を支える力になるんだなあ)なんて、おもしろく見ることができると思います。

ちなみに、跳び箱を跳ぶことが幼児教育の目的ではありません。環境に合わせて自分の体を自分でうまく動かせること、コントロールできること、美しいリズムのある体を育てることが幼児教育では大切ですよね。

幼児の運動については、これまでも「さくらんぼリズム」という感覚統合の考え方と系統的な運動発達をふまえたリズム遊びが一部の園で用いられてきました。

辻井正先生は、今年、海外で用いられている「感覚運動プログラム」の翻訳をされています。まだ図書館に入っていませんが、こちらも大注目です。

不器用、落ち着きがない子どもにはわけがある


「危ない」が子どもを賢くする2011/10/31

今年の共創祭(学園祭)では、映画「里山っ子が行く!~木更津社会館保育園の挑戦」の上映会を行います。
主催は地域共創センター。午後の終了後には卒業生の交流会があります。
農文協さんの御好意により、今学内で、岡本央氏のミニ写真展を行っております。

園長宮崎栄樹先生は、「『汚い・危ない・くさい』が子どもには必要。『危ない』が子どもを賢くする」とおっしゃいます。先生の園へ伺い、キラキラと輝いた子どもたちの目を見て、子どもは厳しい環境のなかでこそ、本来の力が発揮されるのではないか、と深く考えるところがありました。

挑戦的な保育と、安心できる安定的な保育。この二つをどのように保育のなかで紡ぎ合わせるか、とても難しい課題ですね。
              上映は11月20日(日)10時半からと、13時00分からの2回。申込み不要。無料です。