ベイビーズに描かれた日本の子育て2012/08/20

土曜日は、卒業生との飲み会でした。すっかり先生らしくなった姿がまぶしかったです~。

先日、社会人学生の松井さんに教えていただいて、映画「ベイビーズーいのちのちから」を見てきました。
アメリカ・アフリカ・モンゴル・日本の四人の赤ちゃんの一年間を、ギュッと1時間半に収めたドキュメンタリーです。
「ベイビーズ」公式サイト
またはユーチューブでは、予告篇を見ることができます。

「あり余るほどの可愛さが画面いっぱいに広がる赤ちゃんムービー」のはずだったのだけれど、ああ、専門家の性というか・・・複雑な気持ちで映画館を後にしました。

四人の赤ちゃんは、思わず声が出てしまうほど可愛いのです。
日本はごく普通の子育てでしたが、映画でピックアップされた場面は、
仕事の電話に夢中のお父さんが、ガラガラで赤ちゃんをいい加減にあやしている場面(笑)だとか、
ショッピングセンターの刺激の洪水の中をベビーカーに入れられて移動する場面だとか、
シースルー張りの動物園の檻の前にベビーカーを置かれ猛獣が近づいてくるたびに泣く姿だとか、
達成感が得られないおもちゃと格闘してかんしゃくを起こしている場面だとか、
マイクを使ったテンションの高い親子遊びの場面だとかで、
まあ見事に日本の特徴を捉えていました。芸術家の感性は実に鋭いものです。

日本の子どもたちは、不自然で強い刺激を与えられすぎている、この環境では子どもは自分を閉じないとやっていけないかも、とつくづく思いました。感受性の強いお子さんにはつらい環境ですね。

日本の子育て環境に、赤ちゃんの姿に合うおだやかで自然に満ちた環境(たとえば日本家屋や縁側、のんびりと時間をすごせる木陰のある公園、静かでゆったりとした子育て広場など)が少なすぎるのか、それとも大人が不安だから刺激を与えようとするのか・・・。自然や人とのつながり、かかわりで幸せを感じる次の世代を育てるには・・・。

この映画は、子育て文化や子育て支援の視点で、皆で見て話してみたい映画でした。
川崎や東京他ではこれから上映されるようです。

                   浜松ジオラマファクトリーにて(撮影許可作品)

コメント

トラックバック