保育者はジャージにエプロン?2015/01/14

「保育者が、ジャージを履くことをどう思いますか?」という質問をいただきました。

一昔前までは、保育者といえばジャージとエプロンが定番でしたが、ジャージを履いている園は本当に減りましたね。昔は動きやすくて洗濯してもすぐに乾くパンツといえばジャージしかありませんでしたが、今ではオシャレで機能性が高いパンツが増えたので、ジャージを履く人が減ったのではないでしょうか。

でも体育教室の先生は、やはりジャージですね。造形教室の先生はジャージ姿を見ません。個性としてジャージが似合う先生もいそうですし、ジャージが合う活動もあるでしょう。

保育者の服装には、自分の衣服としての機能の他に、子どもの環境としての機能保護者の信頼を得る機能があります。そのため服装の規定をもっている園もありますし、園長先生が髪の染色はこの色までと決めている園もあります。まだ服装や髪型の規定がない園は、職員会議などで、グループワークで規定を作ってみると、それぞれの考え方が共有できて面白いかもしれません。

以前、学生が全く服装が異なる二つの園の保育者にインタビューをしたことがあります。
園のほとんどの先生がキャラクターのエプロンをつけている園では、その理由を「キャラクターのエプロンをつけていると子どもが喜ぶし、子どもを自分に引き付けることができます」と回答されました。
シンプルな服を着ている園の先生は、「保育者がキャラクターの服を着ていたり、派手な服を着ていると、子どもの発想や遊びのイメージを壊してしまいます。私たちは子どもの遊びの邪魔にならないような服を選んでいます」と回答されました。全く逆の回答に学生はとても混乱したようでした。保育者の「子ども観」「遊び観」「保育者の役割の捉え方」が、服装選びに影響を与えていることがわかりました。


学生が考えた室内での遊びを援助する服。

保育者は、服や髪型で自分の気分や場の雰囲気を演出できます。誕生会はドレスアップしてきたり、元気な活動の日にはビタミンカラーで気分を上げたり、行事の日には着物やゆかたを着ることもできます。
服装を自分で選べ、部屋を自分たちで好きに変えられる仕事ってなかなかありませんから、先生方には、服装選びも、うんと楽しんでほしいと思っています。

質問を下さったH先生、ありがとうございました。

コメント

_ やすけ ― 2015/01/17 19:19

初めてのコメントです。いつもブログを拝見しております。
僕の園では特に服装にこだわって規制されていませんが、自然に、子どもと接する中でジャージではなく普段着。必要なときは汚れないようにエプロン。といった感じになっていきます。

また、とある保育園の保育士は、キャラクターのエプロンをつけることで仕事のON/OFFを切り替えている。と聞いたことがあります。

保育士自身も人的環境という大切な要素を含む中、服装・雰囲気はとても大切ですね。

_ (未記入) ― 2015/01/18 07:57

やすけさん、コメントをありがとうございます。

「自然に普段着になっていく」保育をされているのですね。
キャラクターのエプロンで仕事のオン・オフを切り替えるというのも面白いですね。キャラクターエプロンがテンションを変える装置になっているのかもしれませんね。

コメントを拝見して、「テンションと服装」というキーワードが浮かびました。
子どもを楽しませるために高いテンション、何かを教え込むために高いテンション、人数が多く一斉に何かをさせないといけないがためにハイテンションなど、自分自身の反省も含めて考えています。

普通のテンションで、子ども自身が工夫し、考え、話し合う保育をされる先生方もいらっしゃいます。そういう先生方を見ると、「うわあプロフェッショナルだ!」と感動します。また続きはブログで書きますね。ありがとうございます。

_ (未記入) ― 2015/01/25 08:11

H先生、ありがとうございます。服装を変えてしまったのですね!?素晴らしいリーダーシップに驚きました。
先生たちが個性豊かに、また優しく可愛らしく見えるのは、子どもにも保護者にも幸せなことですね。学生にもそう見えると思いますので、就職希望者がより増えたりして。
「保護者との距離が縮まり、保育士が世間話や愚痴などを聴けるようになればいいなと思っています」という先生の思い、きっと実現すると思います。

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