育つ・つながる子育て支援2010/04/29

「育つ・つながる子育て支援~具体的な技術・態度を見に付ける32のリスト」子育て支援者コンピテンシー研究会編著 チャイルド社


この本は武蔵大学の武田信子さん、日本保育協会の今井豊彦さんらと一緒に行った子育て支援者のコンピテンシー研究を基にしています。
子育て支援の技術と態度をイラスト満載で解説。イラストはとくに大枝桂子さんのイラストがつぼにはまります。「こんなイラストをお願いします」とイメージを伝えるのですが、毎回筆者の想像をはるかに超えたイラストが届いて大爆笑でした。この本で一番楽しめるのは、大枝さんのイラストです。

子育て支援を行う広場の環境では、「視覚刺激・音刺激の質と量に配慮」といった高度な内容と「安全チェックリスト」のような基本的な内容を一緒に盛り込んでいます。

この本を出版してからは、子育て支援の講演依頼が来ると「この本を読んで下さい」とお断り。2時間講師の話を聞くより、本を何冊も買って継続的に学習するほうが質の向上につながります。

幼稚園・保育園でこれから子育て支援を初めてみようかなという方、それから、子育て支援の担当になったという方、ご一読下さい。

家族援助論2010/04/29

「家族援助論」那須信樹編著 北﨑恵理、高山静子、山崎 篤、飯浜浩幸、森 康博著 保育出版社

私が「家族援助論」の授業で使用しているテキストです。
保育園・幼稚園の具体的な子育て支援の記述が充実しており、(私がその章を書いているから・・)保育者向けの講演会で御紹介していますが、保育出版社の本は、アマゾンなどで購入できないため、先生方も探すのに苦労されるようです。

この本は、保育出版社のホームページで購入できます。
http://www.hoiku-pub.jp/index.html


保育園・幼稚園の子育て支援では、入園児童家庭への支援と、地域の子育て家庭への支援を分けて書き、入園児童の保護者に対して、具体的にどのような支援を行うのか、保護者とのコミュニケーションの取り方、ノートの書き方、参観の組み方など、保育者に伝えたいことをコンパクトにまとめました。地域の子育て家庭への支援は、園庭開放などの居場所・交流型の支援を中心に、預かり、学童なども入れています。

相談の対応や問題発生後の支援が中心のテキストが多いなかで、育成・予防を中心に記述されている珍しい「家族援助論」テキストだと思います。とはいえ、他の章で虐待の早期発見と対応についても充実した記述があり、資料を別途用意することなく、予防と対応をこの一冊で指導ができます。

家族援助論は、他にもいくつか書かせていただいていますが、保育所と幼稚園の保護者支援をたっぷり書かせていただいたのはこの本だけで、学生たちに支援の実際をよく理解してもらいたいと思うと、どうしてもこの本を選んでしまいます。

この本の編者である那須先生も、執筆者の北崎さんも、(わたしも)、ファシリテーターでもあり、エンパワメントが基本にあります。読者に役立つ本にしたいという著者の思いも、とても強い本かもしれません。