専門職と非専門職の行為2011/09/26

今日から後期の授業です。天気は雨だけど、キラキラと輝く学生たちの姿で教室内は快晴です。学生の真剣なまなざしにふれるとき、私はいつも大学の教員になってよかったと思います。

メールで「自分ひとりでも、保育を変えることはできますか」という質問をいただきました。私は、「はい、できます」と答えたいと思います。

保育を変えたいけれど、(他の先生方と違うことをすることはいけないのではないか)、(他の先生から嫌われるのではないか)と、いう不安を感じるかもしれません。
でも、「保育を変えることができますか?」という問いには、「私は子どもたちのために良い保育をしたい」という意志が含まれているように感じます。「子ども」を基準として行動している人は、きっと時間をかけて、変えることができると思います。



望月彰・谷口泰史編『子どもの権利と家庭支援』三学出版,
2005対人援助職の行為として次のような内容が紹介されています。(【 】内は高山が補足 一部を掲載)

・・・・「専門職」と「非専門職」の行為の違い・・・・

【意思決定と行為】
専門職・・・・・第一に、正式な教育と訓練の過程を通じて学ばれた知識体系に基づいて決められている
非専門職・・・第一に、個人的な意見と好み、あるいは所属機関の規則や決まりに基づいて決められている

【意思決定】
専門職・・・・・客観的であり、その状況の中の事実に基づいて意思決定する
非専門職・・・個人的な視点と都合に基づく主観的なルールによって意思決定する

【関心】
専門職・・・・・利用者の福祉とニーズが第一の関心事である。援助者は職務上の対人関係を自分の個人的なニーズ充足に使おうとはしない
非専門職・・・援助者の福祉とニーズが第一の関心事である。援助者は利用者と関係を結ぶことによって、援助者自身の個人的ニーズを満たそうとする

【利用者との関係】
専門職・・・・・利用者との関係は、目的が明確であり、目標達成指向であり、時間制限的である
非専門職・・・利用者との間の関係のあり方に方針が欠如しており、友人関係との区別がつかない

【情報共有】
専門職・・・・・新しい知識と情報を獲得し、それを同僚と共有することは援助者の義務と責任であると考えている
非専門職・・・新しい知識を獲得したりそれを同僚に教えることは自分の仕事ではないと考えている


専門職は、個人的な好みや感情ではなく、専門知識という根拠に基づいてその行為を選択すること。そのため保育環境や教育内容は保育目標や保育の原理との整合性が必要であること。・・・一度、このことをわかってしまったら、もう主観による保育には戻ることはできません。同僚も、きっと良い保育をしたい、良い保育者になりたいと思っているはず。まずは情報共有からはじめてみてはいかがでしょうか。

保育者はどこかに「子どものためスイッチ」があります。このスイッチを押すと体の奥底からパワーが湧いてきて、 自分には無理と思っていたことも軽々とやれてしまうのです(笑)。自分と同僚のスイッチを押してみて下さいね。



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