ロッカーの配置と保育内容2015/04/23

最近、保育園の新設が盛んですが、改築した園舎を見せていただくことも増えました。

これまで見せていただいた新しい園舎は、大きく二つに分かれました。
一つは、これまでとは違う新しい設計の園舎です。もう一つは、建物は確かに新しいけれども、古い園舎とほぼ同じ設計です。最も違いがあるのが、子どものロッカーの場所なんです。

古い保育室は、どこも保育室の壁にロッカーがありました。ミニ小学校仕様です。先生が今日は何をするか指示をし、子どもは小学校と同様に先生の指示に従って課業をします。そのため室内の環境は、それほど重要ではありませんでした。子どもが先生の指示に従って動くためには、ロッカーが壁にある方が、むしろ効率的だったのかもしれません。

新しい設計では、「前室」と言われる空間があったり、ロッカーを遊びの空間とはゆるやかに分けて配置していたり、移動式のロッカーを使用していたりします。子どもが発想をひろげ豊かで継続的な遊びを展開できるように保育室の壁にはロッカーがありません。壁にロッカーがないことで保育者は環境構成を行いやすくなり、子どもの主体的で個別的あるいは協同的な活動や、遊びを通した学びを援助しやすくなります。


生活の空間と遊びの空間がゆるやかに分けられている保育室の例(青葉保育園、1歳児クラス)


ロッカーが壁にないだけで、保育室内のゴチャゴチャ感が半減し、視覚の刺激に弱い子どもが活動に集中しやすくなる利点もあります。また室内の動線が変わると、保育はとても楽になります。空間がわかりやすいと、子どもは自分で判断し行動するため、大人の指示が減ります。

新築ができないからと、壁からロッカーをはがして移動してしまった園も複数拝見しました。先生方の熱意には頭が下がります。


コメント

トラックバック