保育士試験の申込は4月1日から ― 2015/03/10
筆記試験は、8科目を3年間の間に全科目合格すればよし。実技試験は、音楽表現・造形表現・言語表現のうち二分野を選択。つまりピアノが必須ではないということ。今が取り時ですね。私も、むか~し試験で保育士資格を取りました。時々園で、「他の仕事から保育士試験を受けて転職しました」という保育者に出合います。なかなかユニークな実践をされていたりします。園長先生にも、大学の専攻は別の分野で、保育士資格を試験で取得されている方がいらっしゃいます。

ウインクする動物たち ― 2014/12/20














認定こども園パブリックコメントは22日まで ― 2014/04/09
縦抱きと歩行器 ― 2014/03/12
神田英男「歩行器の使用やハイハイの量と1~2.5才期の運動能力との関係について」
発表年:1979
調査対象と方法:保育園に入園する30名の子どもに対する複数の保育者による行動チェック
結果:歩行器の使用の有無と運動能力一般との関連はなく、疲れやすさのみ関連が出た。
ハイハイと1~2.5歳の運動能力には関連があり、0歳期にハイハイであまり動き回らなかった子どもは、1~2.5才期にはころびやすく、活発に動きまわらず、歩くのを嫌い、階段や坂道を登るのを嫌がる、歩行の姿勢は不安定で、つまづき易く、運動的な遊びを好まない傾向があった。リズム運動や体操の上手下手や走る速さとハイハイとの関連はなかった。
考察:ハイハイは足腰の強さや安定性には強く関係するが、技能的な側面の発達とはそれほど強く影響しない。
坂田知子・海老原修・斎藤歖能「乳幼児の"匍匐(ほふく)運動期間"に生活環境の及ぼす影響
発表年:1989
調査対象と方法:保育園入園の71名の保護者への質問紙調査
結果:歩行器の使用の有無とハイハイの期間には関連がなく、ベビーベッドとは関連があり歩行が遅れる傾向があった。
考察:匍匐運動が果たす役割は、直立二足歩行に必要な能力を身につけるためのトレーニングと考えられるが、ベビーベッドは匍匐運動を獲得した乳児にとって運動を制限する枠となり匍匐運動期間を長くする傾向にあると判断できる。
足立正、嶋崎博嗣、三宅孝昭、服部伸一、前橋 明「蹴動作の発現と発達に関する研究」
発表年:2004
調査対象と方法:601名の保護者への質問紙調査
結果:歩行器を全く使用せずかつハイハイの機関が長かった乳児は、歩行を始める時期は遅くなるが、歩行から蹴動作が出るまでの期間は短い。

信念対立を乗り越える ― 2014/02/06
西條氏が理論として構築した「構造構成主義」は、研究にも実践にも活用できる原理です。その中心的な概念である「関心相関性」について西條先生は「珍獣」のスライドを使って説明されました。(関心相関性=存在や意味や価値は、身体や欲望、関心、目的に応じて立ち現れるという西條氏が創った概念)
私は話を聞きながら思い浮かぶシーンをノートにスケッチ。自宅に戻ってからパワーポイントで作図してみました。






西條先生は本質とは何かを講義した後、子育ての本質として「自立」「自由」「存在の肯定」をあげて説明されました。
保育者が複数で原理原則を構築するには、どのような方法があるのでしょうか。
保育界には、さまざまな宗教や哲学のバックボーンを持った方々がいます。人間と関わることで積み上げた実践学も豊かであるはずです。その豊かさを活かすことはできないだろうか、そんなことを考えながら書き散らしておりました。
35人に一人にビックリ! ― 2014/01/23
最初に保育所という場が、家庭の代わりではなく、子どもを集団で保育する場であることを理解してもらおうと、国が定めた保育士一人が保育する子どもの人数の基準を、0歳、1・2歳、3歳、4、5歳で推測してもらいました。ついでに幼稚園も、学級人数を考えてもらいました。
机間を回り、ノートを見たり話しかけたりして聞いてみると、幼稚園は10人に一人、0歳は子ども一人に保育者一人、1歳は3人に一人など、まあ、みんな書いている人数の少ないこと、少ないこと。
そうですよね。赤ちゃんを一人で育てていても子育ては大変だと聞いているのですから、きっと保育園や幼稚園でも少人数で保育しているだろうと推測して当然です。
しかし日本の保育所の最低基準は、0歳児は子ども3人に保育士一人、1、2歳児は、子ども6人に保育士一人、3歳児は子ども20人に保育士一人、4、5歳児は子ども30人に保育士一人です。幼稚園は35人。そして現在の保育所が認定こども園になると、短時間保育児は35人に一人になること。
学生たちはとても驚いた顔をしていました。最後に課題の提出を行いましたが、よほど驚いたのか「人数が衝撃的でした」「驚きました」と課題の横に書き加えている学生がいました。
学生と同様に、保護者もこれらの情報を知らない人が多いことでしょう。(かくいう私も親の立場であったときには知りませんでした・・・)
保護者には、事前説明会で国の基準と、自園のクラス人数と保育者の人数を話し、園としては基準よりも加配して努力をしていること、行き届かない点があるが協力をしてほしい旨を説明することが必要であろうと思いました。
保育士の場合、集団で子どもを長時間保育するための専門性が必要です。保育士は、幼稚園教諭の幼児教育の専門性に加えて、養護(ケア)の専門性、乳児保育の専門性と、保護者支援の専門性、福祉の専門性が求められます。保育士資格を取得するときは、保育所以外の児童福祉施設で働くための専門性も必要となるため、修得する専門科目の単位は幼稚園教諭の約2倍の数になります。
虐待の可能性や福祉ニーズが高い家庭、子どもに障がいの可能性がある場合、保育所への入園を勧められます。幼稚園では障がいや国籍によって入園を断わる園もありますが、保育所には、むしろ支援を必要とする子どもが優先的に入園します。家庭環境の幅が広く、長時間保育であり、交代制勤務のなかでチームで保育を行うため、保育にも保護者支援にも、より高度な技術と倫理観が求められるのが保育士なのです。
私が保育士をしていたとき、「保育は難しい」「私にはうまくできない」と自分を責めることがよくありました。しかし保育士を辞め客観的に見ることができるようになったとき、保育士という職務は、厳しい労働条件でありながら高度で幅広い専門性が求められるために、保育を難しいと感じることは当然だったのだと気づきました。高度な専門性が必要な職務でありながら、「親の代わり」「子どもと遊んでいるだけ」というまなざしに囲まれ、自分でも専門性を持っていることに気づきにくかったのです。

保育士は、乳幼児期の教育と養護、保護者支援を行う福祉と教育の専門職です。
看護という仕事に専門性などないと考えられていた時代に、ナイチンゲールたちが専門性のある看護を追及し、専門性を言語化・理論化したように、保育の専門性を実践として見せ、言語化・理論化して、待遇を改善していきましょう。
大学教員の採用基準 ― 2013/12/30
「カリフォルニア大学の教員採用基準」
① 専門科目に対する能力を十全に備えていること。
② 専攻分野において、弛まぬ進歩を遂げていること。
③ 授業のための教材を組織化し、これを分かりやすく提示する能力をもっていること。
④ 授業の主題と他の分野との関連性を学生に分からせる能力を持っていること。
⑤ 学習・教授課程において、学生の意欲をかき立てるとともに、教師も情熱を持っていること。
⑥ 入門段階の学生には好奇心を起こさせ、より進んだ学生には創造的な勉学を促す能力を持っていること。
⑦ 学生に対するガイダンスや助言活動に熱心に関わっていること。
竹村牧男「大学教員としての教育能力のあり方について」Toyo University FD News 第12号 東洋大学
う~ん、列挙されると努力目標が明確になりますね。私はどれも頑張れといったところですが、とくに今の課題は③。私のように実践者が大学の教員になる場合、改めて高等教育に関する学びを得て、経験を相対的に使う姿勢が必要になります。具体性のある話ができることは実践経験者の強みですが、内容が具体に偏りすぎたり、具体例を使うことで教員の主観や経験話の授業であると、学生に誤解をさせる場合もあります。
研究成果だけを講義しても実践者の養成教育はできず、理論に基づくことのない経験と主観を話すことも高等教育としてふさわしくなく、理論と実践とを結びつける授業内容と方法を研究し、保育者養成教育の教材開発をすすめる必要があります。理論を実践で活用するには、原則的な理論を構築しその教授を優先することも大切だと考えています。科目内での教育課程編成も一つのポイントとなりますが、興味深い研究成果を見つけました。

勝野頼彦「平成24年度プロジェクト研究調査研究報告書5 社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」『教育課程の編成に関する基礎的研究』 国立教育政策研究所,2013

←の矢印をつけた部分です。
保育者を、福祉と教育の専門職として養成する教育について来年も模索を続けたいと思います。
今年もお世話になりました。皆様、どうぞよいお年をお迎えください。
落ち葉で押し葉づくり ― 2013/12/01

園へ伺うと、落ち葉をラミネートした飾りを見かけることがあります。
ここ最近、点々とセロテープのはがれた痕が残った壁の補修方法を探していたので、そうだ落ち葉で隠してみようと思いつきました。
まずは落ち葉拾い。心のなかでは、(きゃ~きれい!うわあこの葉はグラデーションが最高!なんていい色なんだろう)と、とても興奮しながら拾っているのですが、そこは大人ですからさりげなく黙って拾います。子どもがいれば、一緒に「きれいだねえ」と、共感しながら拾えるのになあ。

次に、新聞紙で葉をはさみ、ダンボールー新聞紙ーダンボールの順で重ねて研究室で一番重い本を載せました。

そして、ラミネートの台紙にはさんでラミネーターへ。


葉が紅葉しない地域や、葉が落ちる頃になると街路樹の枝をバッサリと切ってしまう地域、枯葉をさわれない地域などもあります。きれいな落ち葉を楽しむ経験ができる子どもたちは、とても幸せですね。
うつぶせ寝での窒息事故 ― 2013/11/29
この事故では、預かった者が「うつぶせ寝の危険を知らなかった」という事前研修内容の不備が問題になっています。子どもを預かる人の知識と能力は、子どもの命を左右します。一時預かり事業やファミリー・サポート・センターの研修でも、保育士の養成でも、子どもの重大事故を防止するための最低限度の知識は、確実に身に着ける仕組みが必要です。
私自身ファミリー・サポート・センターの預かり会員をしたとき、「研修を受ければ誰でも預かることができる」仕組みには泣かされました。その市では集団託児をファミサポが請け負っていましたが、預かり会員には、「もうどこでも仕事ができないから」と託児の時間中ただ座っているだけの高齢の方がいました。赤ちゃんにドーナツを食べさせようとする会員を止めたり、泣いた赤ちゃんを叱りつける会員にも悩まされました。もちろん思いをもって会員になる個人や、質を確保しようとしているファミサポ団体もありました。その経験から一時預かりのボランティアに向けた冊子をつくり、子育て広場をはじめたときには、ボランティアであっても資質と能力を問うようにしていました。
一時預かり事業の研究で「研修では講師に具体的な内容を示すこと」としたのは、初年度の研究で、ファミリー・サポート・センターテキストと、ベビーシッター協会のテキストを比較して、その内容に差異を発見したことがありました。ファミサポのテキストには記述がない事故の種類が多く、命にかかわるアナフィラキシー・ショックや熱中症についても書かれていませんでした。(ファミサポの事前研修ではテキストを使わない場合も多くあります)。保育士養成の「子どもの保健」の教授内容も、事故防止はわずかしか扱われない指導内容となっていますので、テキスト調査を行えば同様の差異が見つかるでしょう。
子どもの命を守るためには、保育士には地域保健活動よりも、集団や個別保育で起きやすい事故防止と対応を、できるだけ時間数を使って教授する仕組みが必要です。ファミサポの事前学習では、一般の家庭で起きやすい事故の防止策や、個別保育で起きやすい事故の防止策を、最優先で教える必要があります。そのためには国の通知内容も重要ですし、子育て支援の担当課に保育に精通した(経験が長いではなく)専門官を置くなどして、研修内容を確保する仕組みを各自治体で考える必要も出てきているでしょう。
「子どもを預かる」仕事に就くときに、知っておくべき事故防止と緊急対応には以下のようなものが考えられます。
(テキスト調査と過去の重大事故からリストアップしました)
・転倒・転落
・衝突
・誤飲
・誤嚥
・窒息
・アレルギー(アナフィラキシーショック)
・揺さぶられ症候群
・やけど
・溺水
・熱中症
・目・耳・鼻の異物
・ひきつけ(けいれん)
・自動車・自転車・三輪車
・屋外遊具による事故
・虫刺症、咬傷
・自然災害(雷・川の増水・園庭屋根の雪・地震・津波など)
・不審者の侵入
小児医療や事故防止の専門家の先生方ですと、これ以外にも入れる必要があると考えるものがあるかもしれません。
保育士養成課程の教授内容に、
「生命にかかわる重大事故の事例と防止」
「集団保育で発生しやすい事故とその防止」
「家庭で起きやすい事故とその防止」
などの項目を入れるだけでも、「子どもの保健」のテキスト内容が変わるように思います。

子どもの遊ぶ権利に関する国連のコメント ― 2013/10/27
子どもの権利条約第31条と、国連子どもの権利条約ジェネラルコメントNo.17を学ぶ会です。
子どもの権利条約第31条は以下の通り。
- 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に参加する権利を認める。
- 締約国は、児童が文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。
この条約に対して、国連子どもの権利委員会第62委員会は、「子どもの権利条約第31条に関する一般的見解(ジェネラルコメントNo.17)General comment No. 17 (2013) on the right of the child to rest, leisure, play, recreational activities, cultural life and the arts を採択し、締結国に向けて発表しました。このコメントの作成にあたってはIPA日本支部のメンバーの貢献も大きかったようです。
国連は、子どもの権利ジェネラルコメントで、政府が以下のような行動を起こすことを求めています。
(IPA日本支部「みんなで考えよう国連子どもの権利条約ジェネラルコメントNo.17」IPA日本支部事務局2013)
1.人々の意識を高めること
・子どもの発達に、第31条が重要であること、環境整備が必要であることを全ての人に知ってもらうよう何らかの手を打つ。
・思春期の子どもの言葉や動作を否定的に見る大人の見方を変えるための策を取る。
2.差別をなくすこと
・どんな条件のもとでも、全ての子どもが、遊びやレクリエーション、文化、芸術活動にアクセスできることを保障する法律を作る。
3.都道府県その他全ての組織、企業は次のことに対して規制を設けること
・遊び道具や施設の安全性、使いやすさの基準を作る。
・開発提案書の中では、必ず遊びやレクリエーションに触れる。
・有害な文化、芸術、レクリエーションからの保護や、メディア・映像の選別の基準を設ける。
・戦争ゲームやおもちゃの製造販売を禁止する法律をつくることを奨励する。
4.インターネットの普及と安全性の向上を図ること
・より多くの子どもが新しいメディアにアクセスできるように環境を整備する
・規制や措置を行いつつ、より安全で魅力的な選択肢を増やす戦略を立てる。
5.マーケティングとメディアに対する規制を行うこと
・暴力、性的描写、差別的な観念を強化するようなおもちゃ、ゲーム販売に関する政策を見直す。
・子どもがテレビをよく見る時間帯のCMについて制限を設けることを奨励する。
6.苦情申し立てができる仕組みを作ること
・第31条の権利が侵害された時苦情申し立てができる独立した機構を作る。
グローバルなマーケットが、子どもたちを地域の文化や芸術に参加する機会から遠ざけているというコメントには、なるほど!と膝を打つ思いでした。日本では、とくにマーケティングとメディアに対する行動を起こすことが、子どもの育ちにも保護者の子育て支援にも重要であるように思います。子ども向け商品でありながら危険なサイトへのアクセス規制ができないゲーム機、子ども向け番組のCMで子どもの射幸心をあおること、子ども向け番組やゲームに殺人や暴力、いじめが含まれることなど、日本の子育てでは他国の子育てとはまた別の苦労があります。
今、乳幼児期から、DVDやテレビゲームや大人の準備したサービスで、子どもが愉しませてもらう時間は増えていますが、子ども自身が遊びを創り出す空間と時間は減っています。
会では「『~と、国連の人がいっている』と使っていきたい」という発言で締めくくられました。
子ども・子育て会議でも、この国連コメントを活用したいですね。会を準備されたIPAの皆さんに感謝。
